「駆除すべき対象としてしか見ていなかった生き物に対して、ネズミさんたちと呼びたくなるほどに親しみを感じている」「解き明かして得たネズミさんたちの習性が、今後のドブネズミ駆除に役立つのであれば、私にとってこれ以上喜ばしいことはない」――ネズミ捕獲のプロ・山﨑收一氏は書籍『捕獲具開発と驚くべきネズミの習性』(幻冬舎MC)で、そう語っています。

グループホームでネズミをわんさか捕獲した。

■実施例:グループホームの場合(集団脱走)~観察記録

回収する前の様子を再現した(写真1)。中上、中下の捕獲具が、引き出されていた。その隣りが回収した6台の写真である(写真2)。手前の3台が下で、奥が上に乗せてあった3台。右上の1台は入口が開いていて中のパンが食べられていた。残り5台は入口が閉まっているのに捕獲されていない。5台のうち、左上、中上、右下の3台には、毛が多く落ちているのが確認できた。

 

[写真1]3台ずつ2段、合計6台設置した捕獲具の回収前を再現したところ

 

 

[写真2]回収した6台の捕獲具

 

左上の1台を詳しく見てみた。プラスチックの踏み板の片側出口付近に広く血が付いていて(写真3)、外側の、中の個体が触れられない部分にも血が付いていた。血の付いた場所とは反対側にあるL字金具の一部が下方向に曲げられ、変形していて、設置した時とは異なった位置に、後で差し込まれたように収まっていた(写真4)。

 

[写真3]囲み部分に血が付着していた

 

[写真4]囲み部分では、L字金具の一部が下方向に曲げられて変形していた

 

中上のプラスチックの踏み板は奥に押し込まれ、中から触れられないところに血が付いていた。右下の1台が最も荒らされていた(次ページ写真5)。

次ページ逃げられるはずがないと思っていたら…なんと!

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