徳川綱吉の時代…平和な世の中で栄えた「元禄文化」
徳川綱吉(とくがわつなよし)の頃を、元禄(げんろく)時代と呼びます。勘違いしてほしくないのですが、江戸時代が終わったわけではありません。江戸時代の中に元禄時代があるということです。室町(むろまち)時代の前半を南北朝(なんぼくちょう)時代と言ったり、応仁の乱以後を戦国時代と言ったりするのと同じですね。
元禄時代は生類憐みの令(しょうるいあわれみのれい)が大真面目に出されるくらいですから、平和な世の中でした。鎖国(さこく)している分、桃山(ももやま)文化とは違って、外国の影響も少ない。
そこで、いろいろな作品が誕生します。1つひとつを詳しく説明すると長くなるので、ここではまず覚えるべき事柄をまとめておきます。
日本人におなじみの「松尾芭蕉」など…元禄時代の文学
<上方(かみがた〔大阪、京都〕)中心>
●井原西鶴(いはらさいかく):
浮世草子(うきよぞうし)と呼ばれる小説を書いた。人々のどろどろした欲を上手に表現し、恋愛物の『好色一代男(こうしょくいちだいおとこ)』、カネに目がくらんだ商人の話の『日本永代蔵(にっぽんえいたいぐら)』『世間胸算用(せけんむねさんよう)』が有名。
●松尾芭蕉(まつおばしょう):
主に東北地方を旅した、紀行文の『奥の細道(おくのほそみち)』が有名。
「閑さや 岩にしみ入る 蝉の声」
「五月雨を あつめて早し 最上川」
といった俳句を作品中で詠んでいる。
●近松門左衛門(ちかまつもんざえもん):
義理と人情の板ばさみに悩む人々の姿を、人形浄瑠璃(じょうるり)や歌舞伎(かぶき)の脚本に描く。『曽根崎心中(そねざきしんじゅう)』が有名。
人形浄瑠璃とは、三味線を使った語りに、あやつり人形が組み合わされたもの。
学校の教科書では、『好色一代男』や『日本永代蔵』、『曽根崎心中』の内容を詳しく書いていません。たぶん、小学生にとっては不適切だからじゃないかな。心中とは、愛し合う男女が自殺すること。そういう作品は、子どもには教えられない…。知りたい人は、中学生になってからどうぞ。いや、中学生にとっても不適切かな。
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