
自分が受け取る「年金額」には興味があっても、「年金制度」に興味をもつ方はそれほど多くありません。なぜなら、公的年金(国民年金、厚生年金)がもらえるのは65歳以降、ほとんどの現役世代にとって遠い将来の話だからです。
いずれ年金制度は破綻すると思っている方、年金拠出金を払っても受け取れないと一方的に誤解されている方々も多く、年金の中身や将来どのくらいもらえるかについて職場で話すことすらないのが実態でしょう。しかし公的年金とは、年金保険料を払い65歳以上存命していれば、必ずもらえるものなのです。
実は公的年金に加え、国は私的年金制度の拡充にも注力しています。皆さんご存じのように、個人型確定拠出年金であるiDeCo(以下、イデコ)の制度が徐々に拡大され、2020年5月末に可決された改正年金法のなかでも、イデコ加入対象者の拡大等の変更がなされているのです。
「イデコなんてチマチマしたことやってられない!」と思うのは自由ですが、その前に、資産形成でこの制度を使わねば一生の損、ということも理解いただきたいと思います。企業型DC(企業型確定拠出年金)・イデコ運用歴通算13年、資産運用業界で30年以上の経験を持つ、一般社団法人日本つみたて投資協会代表理事の太田創氏が解説します。