がん、糖尿病、嚥下困難、胃ろう、認知症、独居うつ、褥瘡など、様々な病気の知識を持っている方は多くても、実際に患者の声を耳にする機会はほとんどありません。本連載は、国民健康保険坂下病院名誉院長の髙山 哲夫氏の著書『新・健康夜咄』(幻冬舎MC)より一部を抜粋し、高齢患者の声を「現役医師」の目線からお届けします。

 

前述の肺炎球菌ワクチン接種問題も接種の時に「このワクチンは肺炎球菌による肺炎を予防するものです。でも肺炎は肺炎球菌以外にも様々な細菌により生じます。だから肺炎球菌の予防をしても他の細菌による肺炎を予防するものではないですよ。これまで通り感染予防に注意して下さい」と説明しておけば患者さんの誤解もなかったでしょう。

 

外来には様々な訴えの患者さんがやって来ます。中にはいつもくどくどとお話しされノイローゼとしか思えないような方もいます。でもそのような神経質、考え過ぎと思ってしまう症状であっても、現実に患者さんはその症状で苦しんでいるのです。どうしたらその苦しみを取ってあげられるのか。そう思うと患者さんの訴えをしっかり聴いてあげることが解決の糸口になります。

 

※本記事は連載『新・健康夜咄』を再構成したものです。

 

 

 

髙山 哲夫

国民健康保険坂下病院名誉院長

 

 

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新・健康夜咄

新・健康夜咄

髙山 哲夫

幻冬舎メディアコンサルティング

最新医療機器より大切なものは、患者さんを想う心――。著者のところには、がん、糖尿病、嚥下困難、胃ろう、認知症、独居うつ、褥瘡など、様々な病気をもつ高齢の患者さんがやってくる。地域の高齢な患者さんの声に真摯に耳を…

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