「別居妻の生活費」と「親の仕送り」…優先すべきはどちら?

いつの時代も「離婚トラブル」は尽きないもの。離婚をするだけでも一苦労ですが、場合によっては財産分与や親権問題など、さらなる壁が立ちはだかることも…。知識を身につけ、もしもの時に備えましょう。今回は、依頼者からの質問より「別居する妻への生活費の支払いよりも、実母への生活費の仕送りを優先」することはできるものなのか、見ていきましょう。

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生活に困窮している母への援助を優先させたいが…

Q.妻が離婚するといって家を出てしまいました。

その後、離婚の話合いは難航して長引いており、その間、妻からは「離婚するまでは生活費を支払え」という請求を受けています。

しかし、私には生活に困窮している母がいて、母に仕送りをしているので、別居中の妻に払える生活費などありませんので払えません。

母への援助を優先させることはできないのでしょうか。

 

別居中の妻よりも、母親への援助を優先したい(画像はイメージです/PIXTA)
別居中の妻よりも、母親への援助を優先したい(画像はイメージです/PIXTA)

 

A.妻への生活費の支払いが優先されます。

 

一昔前、親の扶養が十分可能な収入なのに親に生活保護を受給させていた、という芸能人のニュースが世間を賑わせていました。このニュースによって、民法上の親に対する扶養義務、というものがクローズアップされています。

 

扶養義務の問題と、別居中の配偶者への生活費(婚姻費用)の支払いが交差するとき、上記のような夫の言い分は法律上認められるのでしょうか。

妻子に自分の生活と同程度の生活を保障する義務がある

この夫の言い分は原則として認められない、と判断したのが、大阪高等裁判所昭和62年1月12日判決です。

 

なぜかというと、妻や子供に対して夫が負うべき扶養義務というのは「生活保持義務」というもので、これは夫自身の収入と見合い、かつ自己の生活程度と同程度の生活を妻や子供にも保障すべき義務と言われているからです。

 

要するに、法律上は、夫は、自分の生活レベルと同程度の生活を、妻と子どもにも保障しなさい、ということになります。

 

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こすぎ法律事務所 弁護士

慶應義塾大学大学院法務研究科卒業。神奈川県弁護士会に弁護士登録後、主に不動産・建築業の顧問業務を中心とする弁護士法人に所属し、2010年4月1日、川崎市武蔵小杉駅にこすぎ法律事務所を開設。

現在は、不動産取引に関わる紛争解決(借地、賃貸管理、建築トラブル)、不動産が関係する相続問題、個人・法人の倒産処理等に注力している。

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