日本で生まれ育った方の多くは、金融資産のほとんどが日本円か日本資産です。しかし、インベスコ・アセット・マネジメント株式会社 グローバル資産形成研究所によると「不安定な世の中だからこそ分散投資をすべき」なのだといいます。今回は、分散投資の重要性について見ていきましょう。

これまでは分散投資しなくても問題なかったが…

日本では、通貨の価値、土地の価格、株価、賃金が上がり続け、それは世界と比較して非常に高い上昇率でした。ほとんどの日本人は、日本の学校で学び、日本の会社で働き、日本資産のみに集中投資を続けるという、分散投資の教えに反する日本への超集中投資を(多くの場合、無意識に)続け、その恩恵を享受しました。

 

元英国首相のチャーチルは「成長はすべての矛盾をおおい隠す」という言葉を残しましたが、その通り、この時代の日本において、人々が分散投資の原則に従わないことは、何の問題も起こしませんでした。しかし、平成の過去30年や、これからの令和の時代はどうでしょうか?

 

高度成長という特殊な環境を終えた日本人は、分散投資の原則を重視すべき、通常の環境に置かれていると考えます。

 

また、現在でも、分散投資の教訓に必ずしも耳を傾けなくても良い特殊な国が、いくつかあります。代表例としては、過去10年程、世界経済の成長を大きく牽引してきたアメリカです。


アメリカの個人投資家は、アメリカ資産のみへの投資で一生を過ごし、世界に向けた分散投資は根付いていません。それでも問題がない理由は、移民を受け入れるなどで人口が着実に増加し、その潜在成長率が先進国のなかでも高いと見込まれていることです。

 

また、アメリカ国債は世界最強の軍事力で守られた資産であり、アメリカ株の動向を決めるアメリカ企業には強力なインセンティブ(アメリカン・ドリーム)で世界中の人材や技術を惹きつける文化が備わっています。ただし、これは特殊なケースであり、アメリカ人の生き方を令和時代の日本の個人が参考にすべきではありません。

これからは「分散投資を続ける」ことが重要

平成以降、日本経済は長らく低成長の環境が続いています。私たちは、世のなかというのは基本的に不安定である、そして日本の経済成長率は世界全体より低い水準となっている、という現実を受け入れ、現在の環境を踏まえた行動をとる必要があるでしょう。

 

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※本記事は、インベスコ・アセット・マネジメント株式会社のインベスコ グローバル資産形成研究所レポート「100年時代のお金について考える」Vol.12として公開されたものです。

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