「田舎の富裕層ほど危ない」真の理由は…
今はインターネットが普及し、日本のどこにいても情報が手に入るといわれています。たしかにインターネットがなかった時代とは比べ物にならないくらい、多種多様な情報が高速で手に入るようになりました。しかし、依然として「地域による情報格差はある」と私は感じています。
私は九州・大分の出身で、その縁もあって地元の開業医の方々の相談に乗る機会があるのですが、一般的に行われている節税テクニックを話しても、「初めて聞いた」「うちの公認会計士はそんなこと教えてくれなかった」という反応がしばしば返ってきます。
これが東京であれば「それくらいは知っている」「どこかで聞いたことがある」などと異なる反応が返ってきます。情報を知っていても、正しく理解しているかどうかや、正しく活用できるか否かは別問題ではありますが、少なくとも都会では情報が〝向こうから集まって〟きます。専門家の数も多く、あちこちでセミナーや勉強会が開かれていますし、開業医同士のサークルなどもたくさんあって、情報交流が盛んです。
都会に比べると、地方は専門家の数も本当に少ないですし、セミナーや勉強会などの開催機会も少なくなります。開業医サークルに参加しようと思うと、都会まで出ていかなくてはなりません。地方では情報を〝自分から求めて〟いかなければならないというハンデがあるのです。
相続・承継の問題は日本中どこででも起こっているのに、地方には有益な情報が入ってきにくいというのはとても不公平です。しかし、嘆いていても解決しません。地方に住む人は、「じっと待っていると時代に取り残される」くらいの危機感を持って、自分から積極的に情報集めに動いていかなければなりません。
一方で、都会には情報が多く集まってくることによる弊害もあります。情報が多すぎて目移りしてしまうとか、自分に合わない情報を選んでしまうといったことが起こってきます。あるいは、無数にある情報のどれを信じていいのか分からないとか、紛れ込んでいるウソの情報に騙されるなどの危険性が高まります。
情報のなかにはもちろん本当のものもありますが、上手に化粧をして本物っぽく見せたウソの情報もたくさんあるのです。