州中銀は政策金利据え置き
国内統計改善も慎重さ維持
■豪州準備銀行(RBA)は、12月1日に開催した金融政策決定会合で、政策金利のキャッシュレート及び3年国債の利回り目標を0.10%に据え置きました。11月会合において政策金利の引き下げ、量的緩和(QE)の追加導入といった大規模追加緩和を実施していたこともあり、今回は様子見姿勢を維持との見方が大勢でした。
■声明文は、足元の予想を上回る国内経済統計に触れつつも依然慎重なトーンを保っており、先月同様「少なくとも今後3年は政策金利の引き上げを予想しない」、「必要に応じてさらなる手段を準備する」旨が示されました。
雇用、小売は堅調
10月統計は経済回復基調を示す
■10月の雇用統計は就業者数が前月差+17.9万人と市場予想(同▲3.0万人)を上回り、9月(同▲4.3万人)から増加に転じました。失業率は7.0%(9月6.9%)とわずかに上昇しましたが、労働参加率が65.8%(9月64.9%)へ大きく上昇しており、総じてみると雇用環境の緩やかな回復が窺われる内容でした。
■また、10月の小売売上高(速報値)も前月比+1.6%と9月(同▲1.5%)の落ち込みから大幅に回復し、市場予想(同+0.7%)も大きく上回る結果となりました。前年比でも+7.3%と9月(同+5.6%)の伸びから加速しています。
豪ドルはリスクをにらみながらも堅調な推移
■豪州では、引き続き新型コロナ感染拡大が収束しつつある状況です。ビクトリア州など主要州で11月下旬より州境閉鎖措置が段階的に解除されるなど、経済活動制限が緩和に向かっています。足元、豪州と中国の通商関係に対する懸念が高まっている点などには注意が必要ですが、国内外経済の緩やかな回復や、財政政策への期待感などを背景として、豪ドルは当面堅調な推移を辿ると予想されます。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『豪ドルは当面堅調な推移(2020年12月)』を参照)。
(2020年12月2日)
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