史上初の3万ドル乗せとなったNYダウ
ワクチンと経済回復への期待が強まる
■24日の米国株式市場は、S&P500種指数が前日比+1.62%、ダウ工業株30種平均(NYダウ)が同+1.54%、NASDAQ総合指数が同+1.31%と堅調に推移しました。S&P500種指数は再び史上最高値を更新し、NYダウも最高値を再び更新し、3万46.24ドルと初の3万ドル乗せとなりました。NYダウはコロナ禍の中、ハイテク株主導の上昇に追随できていませんでした。ここにきて、NYダウが上昇しているのは、ワクチンの開発と使用にめどが立ち始めたことや、政権移行がスムーズに進むことで経済回復への期待が一段と高まったことなどが背景です。
出遅れたセクターが堅調
引き続き堅調なセクターも
■景気回復期待の強まりは、セクターの動きからも確認できます。航空や建設機械などを取り扱う「資本財・サービス」は2~3月の大幅調整以後、「情報技術」などに比べて出遅れていましたが、足元で大きくリバウンドし、24日に史上最高値を更新しました。「素材」も最高値を更新しました。いずれも、好景気に強いセクターです。ただ、特徴的な点は、コロナ禍で堅調だった「コミュニケーション・サービス」も2002年以降の高値を更新したことです。「コミュニケーション・サービス」にはグーグルやユーチューブを傘下に持つアルファベットや、ツイッターなどが含まれます。ニューノーマル化の流れが続く中で景気拡大が強まっている、と考えられます。
バリュー、グロース株共に堅調に推移
■米国株式市場は、コロナ対策への期待が維持されそうです。流動性も引き続き潤沢なことから、景気敏感セクターやバリュー株が堅調に推移すると考えられます。もっとも、コロナ後の景気回復は、これまでとは異なるニューノーマル化の基で、新しい産業や企業がけん引するなど、オールドエコノミーからの新陳代謝は着実に進むと考えられます。景気敏感セクターもハイテク技術は不可欠であり、グロース株についても幅広い需要の拡大から堅調な推移が期待できそうです。
※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『3万ドル乗せとなったダウ工業株30種平均』を参照)。
(2020年11月25日)
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