ウェブマーケティング業界は楽して儲けようという人が多いと指摘するのは後藤ブランド社長の後藤晴伸氏だ。「高い費用をかけても売り上げは伸びなかった」「報告書を読んでも、担当者に聞いても何をしているのかわからない」「契約したとたん対応が悪くなった」……。同業者にとって耳の痛いウェブマーケティングの実態を暴き、本当の魅力を伝える。本連載は後藤晴伸著『増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番』(幻冬舎MC)の抜粋原稿です。

画像と動画で視覚的訴求力が強いインスタグラム

インスタグラムの発表によると、日本国内で2016年12月に1600万人だった利用者が2019年6月には3300万人と2倍以上になっています。後藤ブランドへの問い合わせもインスタグラム広告の相談が多くなり、フェイスブック広告と逆転しました。特に若年層の十代や二十代、また三十代から四十代前半までに向けたプロモーションには欠かせなくなっています。画像だけでなく動画もアップでき、視覚的な訴求力がSNSの中でも際立っています。

 

後藤晴伸著『増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番』(幻冬舎MC)
後藤晴伸著『増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番』(幻冬舎MC)

インスタグラム広告には、フィード広告やストーリーズ広告などがあります。フィード広告はタイムライン上にユーザー投稿と同じような形式で掲載されるので、広告の色が薄いのが特徴です。一方ストーリーズ広告はスマホの画面いっぱいに表示されるので、目に付きやすいのがメリットです。

 

ネットユーザーに人気があり大きな影響力を持つインフルエンサーに、インスタグラムを使ってプロモーションに協力してもらうという手法も定着してきました。ただし忘れてならないのは、この場合インフルエンサーに「#PR」のハッシュタグを付けて投稿してもらうことです。ピーアールであることが分からないと、インフルエンサーの無償のお勧めのようになるので、ステルスマーケティング(広告だと分からない宣伝行為をすること)、いわゆる「ステマ」と見られてしまいます。いったんステマ騒動が起きると大炎上し、広告主の会社自体が著しく評価を落としてしまうので細心の注意を払わなければなりません。

 

ラインは顧客との関係づくりに利用する

 

ラインは、マーケティングツールとしてはフェイスブックやツイッター、インスタグラムとまた違った特徴があります。

 

例えばお店を訪れたお客さんに会社への友達申請をしてもらい、ラインで定期的に情報を発信していくといった使い方ができます。これまでのメールマガジンに代わる媒体になりつつあるともいえます。

 

すぐにプロモーション効果が得られなくても、緩い感じでなんとなくつながりを保つことができ、メールマガジンよりも確実に情報を閲覧してもらえます。プロモーションというよりは、顧客との関係づくりに役立つととらえる方がよいでしょう。

 

またラインを使ってオンラインで送られた画像を買取の査定に使うこともできます。メールで査定結果を返していたら2、3日放置されてしまうかもしれませんが、ラインだと通常はすぐにリアクションが得られます。

 

ラインで顧客とこうした関係を維持するには、友達申請で会員になった後も店や企業のアカウントに繰り返しやってきてもらう工夫が必要です。例えばオリジナルのラインスタンプやクーポン券がもらえるという特典を送るといったやり方が考えられます。

 

ソーシャルも片手間では効果が出ない

 

SNSのさまざまな使い方を見てきましたが、ビジネスに利用しているのはまだ大手企業が中心という段階です。中堅や中小クラスの会社だと、フェイスブックやツイッター、インスタグラムのアカウントは取ってあるがそのままになっているというところが多いのではないでしょうか。

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増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番

増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番

後藤 晴伸

幻冬舎メディアコンサルティング

業界を知り尽くした著者がウェブマーケティング業界の闇を暴露する衝撃の一冊。 インターネットがビジネスでも必須の存在となり、ウエブを活用した賞品宣伝や集客が当たり前になり、検索順位を上げたり、広告から商品の購入に…

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