一般に高所得と言われている医師ですが、高額所得者への増税が相次ぐ昨今では「贅沢をしなくても手元にほとんどお金が残らない」というのが現実です。しかし、税制面で不利な状況だからこそ、節税対策を講じればそれなりの金額を手元に残すことが可能です。個人所得税を節税する切り札は「不動産投資」です。落とし穴の多い収益不動産投資をいかに活用するか、現役医師として働きつつ資産形成に成功した筆者が解説。※本連載は、自由気ままな整形外科医氏の著書『医師の経済的自由 豊かな人生と理想の医療を両立できる第3のキャリアパス』(中外医学社、2017年刊行)より一部を抜粋・再編集したものです。

税負担大だからこそ「個人所得税の節税」が効果抜群

近年は高額所得者への増税が相次いでいます。少子高齢化が進行する日本の国際競争力を維持するためには法人を優遇する必要があり、法人減税の財源として、個人所得税の増税の流れは今後も続くと考えられています。日本の所得税制は累進課税制なので、所得が上がるほど税額が増加します。

 

しかし、手元に残る金額を基準に考えると、最も苦しいのは年収1000万〜1500万円の所得階層です。この階層は、それなりの所得を得ている自覚があるため支出が多くなりがちです。このため、年収1000万〜1500万円のファミリー世帯は、贅沢をしなくても手元にほとんどお金が残らないのではないかと思います。

 

そして、残念ながら医師の年収の中央値はこの所得階層です。このひとつ上の年収2000万〜3000万円クラスでは比較的フラットな税率が続くため、生活費を一定と考えると(十分とは言えないまでも)手元に残る金額は所得増加に比例します。しかし、年収2000万〜3000万円クラスの所得階層は、開業医では平均的な所得階層であるものの、勤務医では少しハードルが高いのが現状ではないでしょうか。

 

このように開業医・勤務医に関わらず医師は税制面で不利な状況です。しかし普段から多額の税金を徴収されているだけに、きっちり節税対策を実践するとかなりの金額が手元に残ります。そして、個人所得税を節税する切り札は不動産投資です。

 

しかし、不動産業者が勧めるピカピカの投資用新築区分マンション投資や収益1棟マンション投資には危険がいっぱいです。書店やネットには「投資用新築区分マンション投資」や「収益1棟マンション」などの宣伝文句が躍っていますが、その陰では破綻してひっそり退場していく人が後を絶ちません。

 

そして、収益不動産投資で破綻する人の中では、医師の割合が高いです。私の手元には任意売却物件の資料がよく届きます。売主の属性をヒアリングすると、医師であるケースが非常に多いのです。1億円を超える物件を購入できる高属性の方は限られており、そのストライクゾーンに医師が該当します。

 

収益1棟マンションは悪い投資対象ではないですが、不動産経営手法を知らずに開始するのは極めて危険です。例えてみれば、全く勉強していない高校生が、医学部に合格しようとすることと同義なのです。小額の投資資金で開始できる金融資産投資ならオン・ザ・ジョブ・トレーニングも有効です。しかし、高額な収益1棟マンション投資では、知識や経験のなさは致命的で挽回不可能です。

不動産投資の王道は、都市中心部の収益1棟マンション

収益1棟マンションは、①収益の多角化、②節税(納税時期の随意的コントロール)、③レバレッジによるキャッシュフロー増加、などの大きなメリットがあります。このため勤務医・開業医に関わらず、最終的には収益1棟マンションを目指すのは悪くないと思います。しかし一足飛びに1棟収益マンションではなく、練習の段階が必要です。その練習台として築古木造戸建投資はうってつけです。

 

築古木造戸建は、小さなものでは数百万円程度で購入できるものが多いため参入障壁が低いです。価格が安いため、地方や郊外立地の収益1棟マンション投資よりもリスクが低いです。リスクが低いにも関わらず、購入までの交渉・改装工事・客付けなどの不動産投資で必須のスキルは、築古木造戸建投資でも十分学ぶことが可能です。十分な経験を積んだ後、よりリスクの高い収益1棟マンション投資にステップアップします。このように築古木造戸建投資は、不動産投資の練習台としてぴったりだと思います。

 

更に、築古木造戸建投資は「4年での減価償却」と「給与所得との損益通算」によって、特に医師のような高額所得者では大きな節税効果を発揮します。普通のサラリーマンと異なり、医師は普段から多額の所得税・住民税を納税しているため、実質的な物件価格は、減価償却を通じて強烈にディスカウントされます。やり方によっては流通価格の2〜3割引で購入するのと同じ効果を得ることも可能です。

 

減価償却を用いた節税プランで最もポピュラーなのは中古の高級車を利用したものですが、この方法の欠点は少なくとも購入金額の半分程度のキャッシュアウトを伴うことです。節税を意識し過ぎて無駄な支出が増えるのでは元も子もありません。高級車といっても最後は鉄クズです。減価償却するのなら償却後も市場価格が落ちにくい対象を購入するべきです。

 

私が知る限りでは、実質的に土地価格に連動する築古木造戸建のみが、減価償却後にもある程度の市場価格を維持できる対象だと思います。また、不動産市場が好調な時期であっても投資物件と異なり実需マーケットなので、稀に掘り出し物がみつかることもあります。不動産市場が好調な時期は基本的に購入を推奨できませんが、あくまで不動産投資の練習台と割り切るのなら、参入する時期を選ばないこともメリットのひとつです。

 

ここまで築古木造戸建投資のメリットを挙げましたが、デメリットもご紹介します。まず、低価格帯の築古木造戸建の購入は現金購入が基本となります。低利で銀行融資を受けることは難しいのが現状です。また、ひとつひとつの物件規模が小さいため、築古木造戸建投資だけで経済的に自由な状況を目指すことは現実的ではありません。最後の注意点として、不動産投資の王道は、都市中心部の収益1棟マンション投資や収益1棟ビル投資であるため、築古木造戸建の購入は最初の1〜2戸だけで十分だと思います。

 

<POINT>

築古木造戸建投資は

①不動産投資の練習台として

②医師の節税対策として

1粒で二度おいしい手法

 

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自由気ままな整形外科医

医学博士、日本整形外科学会専門医、日本リウマチ学会専門医

 

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