恐しい…「患者に尽くしても訴訟になる」医師の知られざる苦悩

「手術が好き」ただそれだけだった…。新人外科医:山川が見た、壮絶な医療現場のリアル。※勤務医・月村易人氏の小説『孤独な子ドクター』(幻冬舎MC)より一部を抜粋し、連載していきます。

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労力をかけたにもかかわらず…訴訟問題になる悲しさ

ICとセットで使われる用語に「セカンドオピニオン」という言葉がある。セカンドオピニオンとは直訳すると「第二の意見」となる。

 

※インフォームドコンセント…患者さんに分かりやすい言葉で説明し、しっかり理解を得た上で手術の同意をもらうということ

 

患者さんは医者からICを受けても納得がいかない場合、別の医者に意見を聞くことができる。セカンドオピニオンは患者さんが納得のいく治療を選択するためのものである。

 

医者は学生の頃からセカンドオピニオンの重要性について学んでおり、患者さんから要望があれば不本意であったとしてもほかの先生に紹介状を書かなければいけない。それくらいICで納得することは患者さんにとって重要なこととされているのだ。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

ICは医者にとっても重要である。ICが不十分なまま手術を行い、患者さん側が納得できない事態が起こると、訴訟問題に発展する可能性もある。そうなれば、医者が不利益を被ることになる。

 

自分の身を守るためにもきっちりとしたICを行わなければいけない。そもそも患者さんは自分の病気を治してもらいたいと思い、医者は患者さんの病気を治したいと思っている。

 

外科医は病気を治すための最善策が手術だと判断した時、手術を行う。当然不必要な手術はしない。必要だと判断したからこそ、術前の検査を入念に行い、みんなで話し合って手術の方針を立て、たくさんの人手と長い時間を使って手術に臨む。

 

それだけの労力をかけたにもかかわらず、医者の思いが患者さんに十分に伝わらず、術後に対立することになるのはとても残念なことだ。確実なICをすることがお互いにとって幸せなのである。

 

話を戻すが、外科医は日中はほぼ手術に入っているため、早朝と夕方以降に病棟業務をこなす。朝は回診とカンファレンス、夜は回診と術前ICが主な業務である。

 

その他、書類仕事などの雑務や翌日のカンファレンスの準備を終えると、ようやく1日の業務が終わる。僕は仕事を終えるとできるだけ早く家に帰るようにしている。

 

家に帰るといっても僕たち若手外科医にとって勝負はそこからである。

1991年生まれ。消化器外科医。趣味はプロ野球観戦だが、今は手術の修練や日々の予習・復習に追われており、久しく球場に足を運べていない。ほとんどの時間を仕事に捧げているが決してデキる外科医というわけではない。そんな不甲斐ない自分をいつも励ましてくれるのがもう一つの趣味である小説である。小説の中で頑張っている主人公に出会うと「僕ももう一度頑張ってみたい、頑張れる気がする」と思えてくる。僕もそんな魅力的な主人公を描いて、医師として人の命を、小説家として人の心を支える存在になりたい。

著者紹介

連載孤独な子ドクター

孤独な子ドクター

孤独な子ドクター

月村 易人

幻冬舎メディアコンサルティング

現役外科医が描く、医療奮闘記。 「手術が好き」ただそれだけだった…。山川悠は、研修期間を終えて東国病院に勤めはじめた1年目の外科医。不慣れな手術室で一人動けず立ち尽くしたり、患者さんに舐められないようコミュニ…

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