株価のチャートには「移動平均線」が表示されます。代表的なテクニカルチャートのひとつで、特に株式投資初心者が陥りやすい落とし穴が潜んでいます。そこで移動平均線の基本と注意点をみていきましょう。※本連載では、AI技術を用いた株価予測ソフトを開発する、株式会社ソーシャルインベストメントでトレーダーとして活躍する川合一啓氏が、個人投資家が株式市場で勝ち続けていくための極意について説明していきます。

移動平均線だけに捉われてはいけない

投資には「こんなはずではなかった」はつきもの(※画像はイメージです/PIXTA)
投資には「こんなはずではなかった」はつきもの(※画像はイメージです/PIXTA)

 

株式投資の初心者でもわかりやすい、移動平均線を使った銘柄スクリーニング法。しかしながら注意点もあります。

 

移動平均線は代表的なテクニカルチャートのひとつで、相場の方向性や株価の傾向をみる手掛かりになり、ほかのテクニカル分析も併用しながら、売買のタイミングを計るときに使われます。しかしあくまでも「過去」の一定期間における平均株価を連続した線にすぎません。

 

移動平均線を読み取ることで、確かに株価のトレンドはわかるかもしれませんが、その株価が今後どうなるか、そしてその企業が今後どうなるかは、明確にはわからないのです。ですから、移動平均線だけにとらわれた売買をするのは、リスクが高いといえるでしょう。

 

その企業の市場における競争力や優位性、事業の永続性、株価の割安さなど、他にも考慮した方がよい要因は、たくさんあるはずです。

 

移動平均線による銘柄スクリーニングは、証券会社が提供するツールを使えば簡単にできますし、全面的に投資判断を委ねてしまいがち。しかし他の要因も考慮し、多方面から分析を加えたうえで判断すべきなのです。

 

■まとめ

移動平均線は株価のトレンドを示すが、それだけで銘柄スクリーニングをするのはハイリスク

 

移動平均線は、期間ごとの株価トレンドを示してくれます。そして、それを用いた銘柄スクリーニングも可能です。

 

しかし、テクニカル分析にはそれぞれ一長一短があり、移動平均線による分析も、あくまでも一要因にすぎませんので、他の要因も考慮した判断をするのがおすすめです。

 

 

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