セグメントの設定でコンバージョン率は上げられる
現在はこのGDNとYDNでウェブ上のユーザーの8割以上にはリーチ(アプローチ)できるポテンシャルがあります。ですから普通はこの2つを押さえておけば問題ありません。予算に余裕があれば、ほかのアドネットワークを利用してもよいでしょう。
なおアドネットワークやディスプレイネットワークの発展形としてDSPというものがあります。これについては少し後で説明します。
セグメント設定をしないと無駄なクリック課金が増える
ディスプレイネットワークを運用するにあたっては、セグメント設定がポイントとなります。広告を見せたいターゲットの性別、年齢、居住エリアなどが選べるようになっています。ところが出稿時に、セグメントを切らないで全ターゲットに出してしまうという、信じられないようなことをしている広告代理店などが少なくありません。すると二十代から三十代の女性限定であることが明らかな商品の広告が、年配の人や男性が見るサイトにまで掲載され、無駄なクリックを増やす原因になってしまいます。
ディスプレイネットワークを実施したが結果が悪くて止めてしまったという企業も結構多いのですが、その大半は広告代理店がセグメントの設定を間違えていたり、設定自体をさぼっていたためです。
グーグルが運営するGDNはこのセグメント設定がかなり細かくできるので、お母さん向けの商品は女性で子供ありの人だけにするとか、年齢が特定できないユーザーには出さないといったこともできます。
それを丹念に選んで設定していくと、目に見えてコンバージョン率が上がります。なにもしなければクリックが増えても結果につながらないので、運用スキルがない広告代理店にはディスプレイネットワークを依頼しないようにしなければなりません。
広告枠ではなく人をターゲットにするDSP
DSPは、単純な広告枠単位の配信ではなく、興味・関心を持っている人単位での広告配信ができます。
例えば、富裕層はこういうサイトを見ているだろうと想定しても、なかには意外にもアメーバブログにもよく立ち寄るという人がいるかもしれません。一口に富裕層と言ってもいろんな人がいますから、あくまで広告の掲載先を特定して配信するのではなく、人(例えば富裕層)をターゲットとして配信するのがDSPの特徴です。
その元となるデータは、ネット上からも得られます。ウェブサイトでアンケートや会員登録をすると性別、年齢、居住地、職業、年収、趣味などを記入することが多いのですが、それを特定の個人情報ではなく一般的なデータとして処理し、どんな属性の人が何に興味を持つかという傾向を調べます。このような分析結果がDSPの広告配信には使われています。
インプレッション課金で失敗すると広告料金が跳ね上がる
ディスプレイネットワーク広告では訪問者がクリックをすると課金が発生するクリック課金がほとんどですが、DSPでは多くの場合、インプレッション課金といって広告が表示されただけで料金が発生するしくみになっています。ターゲットに合わせた絞り込みができているので、表示された時点で料金が発生するという考え方です。
クリック課金であれば、あちこちに広告を出しておいてもクリックされた分だけ払えばいいのですが、DSPはクリックされなくても広告表示しただけで課金されます。ですから費用対効果が下がらないようにセグメントを細かく切っておくことが、ディスプレイネットワーク広告よりも重要になってきます。