さらに子育て世帯の7割が、「家族と過ごす時間が増加した」と回答していますが、そこには男性と女性で明らかな差が生じているようです。男性の場合、「家族と過ごす時間が増加した」と回答した人の減少幅は1.09で、「変化しない」と回答した人の減少幅は1.40。そに対し女性は、「家族と過ごす時間が増加した」と回答した人の減少幅は1.82で、「変化しない」と回答した人の減少幅は1.40。女性の場合、家族との時間に変化がないほうが良い、という結果になっています。
ここには育児や家事に対する性差ギャップがあります。夫婦間の役割分担の変化と、子育てのしやすさ満足度の低下幅をみると、「夫の役割が増加」では男0.14、女1.26、「妻の役割が増加」では男1.33、女1.56、「夫・妻ともに役割が増加」では男0.77、女1.59、「変化なし」では男0.74、女1.50。男性の役割が大きくなったほうが女性の満足度の低下幅は小さく、男性の積極的な家事・育児の参加が重要である、といえそうです(図表5)。
ただ男女のギャップに注目していくと、もっとも満足度の減少幅が男女で大きいのは「夫の役割が増加」で1.12。「おれ、がんばっている」などと、男性は育児・家事に満足感を得ているようですが、「余計なことをしないでほしい」「やった気になっている」などと女性は不満を抱えている……そんな画が見えてきます。
自称イクメンほど、パートナーからの評価は低い、とはよく聞くところ。コロナ離婚で、財産分与で揉めに揉める……そんな悲劇を生まないためにも、男性は、一度、家事・育児の採点をパートナーにしてもらったほうがいいかもしれません。