コロナ禍で生活満足度が急低下
新型コロナウイルス感染の第三波が訪れようとしています。厚生労働省が11月15日に発表したところによると、空港検疫やチャーター便帰国者事例を除く国内事例は、PCR検査実施人数273万497人に対し、陽性者は11万5,327人、入院治療等を要する者は1万1,759人、そして現在、重症者は243名となり、今年夏ごろの第2波のピーク、8月23日の259名に迫る勢いです。ちなみに今年春ごろの第1波のピーク時の重症者は、4月30日の328名でした(図表1)。
このような状況に対し、危機感を抱いた人も多いことでしょう。ただ、第二波のときがそうだったように、もう第一波で緊急事態宣言が発動されるような事態にはならないと、そこまで緊迫感を覚えている人は少ないのではないでしょうか。
新型コロナの感染状況に一喜一憂した2020年。もう新型コロナとともに生きるしかないと、どこか腹を括った人が多いのでしょう。
内閣府による「満足度・生活の質に関する調査」の第4次報告書では「with コロナの暮らしと満足度」についてまとめています。新型コロナ感染により、テレワークが当たり前になる一方で、外出が制限されたり、各店舗の営業時間が変わったりなど、人々の生活スタイルは大きく変わりました。それにより、わたしたちの生活満足度はどのように変わったのでしょうか。
感染症拡大前と感染症影響下を比較すると、「生活全体の満足度」は5.96から4.48へと、「仕事の満足度」は5.85から4.81へと、「生活の楽しさ・おもしろさの満足度」は6.33から4.38へと、「社会とのつながりの満足度」は6.07から4.32へと減少しました。生活全体の満足度の減少幅1.48に比べると、仕事の満足度の低下は1.03と小さい一方で、生活の楽しさ・面白さの低下幅は1.95、社会とのつながりの満足度の低下幅は1.75と大きくなっています(図表2)。
コロナ禍の生活への不満感は、仕事よりも自粛生活のなかで外出機会が減少したこと、親しい人との直接的な交流機会が減少したことによるものと考えられます。