広がり続ける、給与格差
「給料、なかなか上がらないなあ……」
会社員なら一度は口にしたことがあるだろう、ぼやき。国税庁発表の「民間給与実態統計調査」(令和元年分)によると、給与所得者は5,990万人で、1人当たりの平均給与は436万円。10年前の2009年は405万9,000円なので、この10年ほどで30万円ほど上昇しています。
正規雇用か、非正規雇用か、雇用形態別にみていくと、正規雇用の平均給与は503万円、非正規雇用が175万円。さらに男女別にみていくと、男性の正規雇用が561万円で、女性の正規雇用が389万円、男性の非正規雇用が226万円で、女性の非正規雇用が152万円。雇用形態、そして性差で大きな格差が生じていることがわかります。
事業所規模別に平均給与を比べていくと、従業員10人未満の事業所では平均315万9,000円、10~29人で315万9,000円、30~99人で353万円。さらに1,000~4,999人になると平均400万円超えとなり、5,000人以上で407万6,000円となっています。
業種別にみていくと、最も高いのは「電気・ガス・熱供給・水道業」824万円で、「金融業、保険業」の627万円と続きます。一方で最も低いのは「宿泊業、飲食サービス業」の260万円です。
年代別にみていくと、20~24歳で平均264万円だったのが、30~34歳では400万円を超えて410万円、50~54歳で500万円を超えて525万円となり、会社員としてはピークを迎えます。男性に限るとピークは55~59歳で686万円。男性の場合、60歳になるまで、給与は上がり続ける傾向にあるといえます。
さらに給与階級別の分布でみていくと、就業者5,255万人のなかで、最も多いのが300万~400万円以下で891万人。就業者の17%を占めています。続くのが200万~300万円以下で783万人、400万~500万円以下で765万人と続きます。一方で、1,000万円を超えるのは256万人、2,000万円を超えるのは27万5,000人です。
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