意識調査からみえてくる、日本人の死生観
高齢化が進む日本。日本の総人口に対する65歳以上の高齢者の割合は28.44%にも達しています。そして平均寿命は男性が80.98年、女性87.14年と世界有数の長寿国です。一方で健康寿命は、2016年、厚生労働省の発表によると、男性が72.14年、女性が74.79年。日常的に医療や介護に依存するようになって、男性は8.84年、女性は12.35年ほどで天寿をまっとうすることになります。
厚生労働省の人口動態調査によると、昨年亡くなったのは138万1098人。そのうち最も多い死亡原因は悪性新生物(腫瘍)、いわゆるガンによるものでした。その数、37万6392人。死亡者の27.3%に及び、日本人の4人に1人はガンで亡くなる……そんな時代です。
どんなに寿命が伸びようと、人間はいずれは死を迎えるもの。誰もが一度は自身の最期を考えたことがあるでしょう。
厚生労働省ではおおむね5年に一度、「人生の最終段階における医療に関する意識調査」で、人生の最終段階における治療方針の決定方法や希望する治療方法についてのアンケート調査を行っています。
この問いに対して、約6割の人が「ある」と回答。人の最期は平等におとずれるものですから、高い関心を示すのは、当たり前のことかもしれません。一方で、
という問いに対しては「話し合ったことはない」が55.1%と、関心の高さの割に、身近な人ときちんと話ができている人は少数派という結果になっています。人生の最期という繊細な話題、どうしても避けてしまいがちなのでしょう。
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