別居中の妻が住む家のローンを返済中…生活費も支払うべき?

配偶者との離婚や別居においてトラブルはつきものです。知識を身につけ、もしもの時に備えましょう。今回は、実例を基に別居中の婚姻費用(生活費)にまつわるトラブルについて見ていきましょう。

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別居中、自宅の住宅ローンと生活費は相殺されるもの?

Q.夫と不仲になり、夫は一人家を出て今は賃貸アパートに住んでいます。私は自宅に残っていますが、自宅は住宅ローンを組んで買ったマンションで、住宅ローンの名義人は夫なので、今も夫がローンを全額払っています。

 

夫からは離婚を求められていますが、協議がなかなか進まず、また、生活費も支払ってくれないので、私から婚姻費用分担請求をしています。家庭裁判所で用いられている「算定表」というものによると、夫が私に支払うべき標準的な婚姻費用は6万円程度とのことです。

 

しかし、夫は、

 

「自分は妻の住む家の住宅ローンで月10万円を払っており、妻は住宅費をまったく負担していないのだから、これ以上妻に払うべき生活費はない。」と主張しています。

 

このような夫のいい分は正しいのでしょうか?

 

夫の言い分は正しいの?(画像はイメージです/PIXTA)
夫の言い分は正しいの?(画像はイメージです/PIXTA)

 

A.住宅ローンの全額を差し引くことは認められませんが、一部減額される場合もあります。

 

この問題は、実務上の取り扱いがまだ確立しておらず、ケースによって様々な考え方が示されています。もっとも、確実にいえることは、

 

「住宅ローンで払っている金額全額が生活費の支払いとして認められることは無い」

 

ということです。何故かというと、住宅ローンを支払い続けることによって、最終的には住宅の取得ができることになりますので、その支払いは、謂わば「資産を形成するための支払い」というべきもので、賃貸住宅の家賃のように、払う一方で財産として残らない、というものとは意味合いが異なるからです。

 

したがって、このような住宅ローンの支払いについては、生活費の支払い(婚姻費用の分担)で考慮するのではなく、離婚の際の夫婦の財産分与において考慮すべき、という考え方が原則とされています。

こすぎ法律事務所 弁護士

慶應義塾大学大学院法務研究科卒業。神奈川県弁護士会に弁護士登録後、主に不動産・建築業の顧問業務を中心とする弁護士法人に所属し、2010年4月1日、川崎市武蔵小杉駅にこすぎ法律事務所を開設。

現在は、不動産取引に関わる紛争解決(借地、賃貸管理、建築トラブル)、不動産が関係する相続問題、個人・法人の倒産処理等に注力している。

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