「お金をドブに捨てた」亡き叔父のボロ家めぐり…甥の酷い末路

いつの時代もなくならない相続トラブル。「生前しっかり話し合ったから大丈夫」…ではないのです。大切な人の死後、まさかの事態が起きてしまったら? 相続終活専門協会代表理事・江幡吉昭氏が実際の事例をもとに解説します。 ※本連載は遺言相続.com掲載の事例を編集したものです。プライバシーに配慮し、相談内容と変えている部分があります。

「お金をドブに捨てるようなもの」相続放棄の末路

空き家をめぐって、新たな課題として浮上しているのが相続放棄です。

 

【執筆者が登壇/オンライン】コロナと相続で「モノ・カネ・家族」を失わない方法

「不動産を相続」した方【必見】⇒詳細はコチラ

 

そもそも相続放棄は、親が残した借金の相続などから子どもを守るため、民法で定められた手続きです。これが今、空き家対策の障害になったり、思わぬ親族間のトラブルを引き起こしたりしています。 

 

■相続放棄をしなかったばかりに

 

50歳の男性・Aさんは、一軒の空き家の管理に頭を悩ませています。

 

その家はもともと叔父のBさんが暮らしており、Aさんは一度も住んだことはありません。親族が相次いで相続放棄をしたため、まわりまわってAさんが管理することになってしまったのです。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

7人兄弟の長男だったBさんは数年前に不慮の事故で亡くなりました。本来、家を引き継ぐのは息子のはずでしたが、死の直後に相続を放棄。そうなると、相続権は兄弟に等しく及びます。しかし、県外に住む兄弟も全員、相続を放棄しました。

 

同じ市内に住む妹(=Aさんの母親)だけが様々な事情から相続放棄の手続きを取っていなかったため、Aさんと母親が管理することになってしまったのです。

 

愛着も責任感も持てない叔父の家。ほとんど手入れをしていません。食器や家具も当時のまま放置されています。

 

「住んだこともない、住む予定もない家にお金をかけるなんてお金をドブに捨てるようなものじゃないですか。こんなふうに空き家を持ってしまって本当に運が悪いと思いました」と話すAさん。

 

不動産会社を通して数年前から売りに出していますが、まったく買い手が付きません。

 

もし火災でも起きれば自分が責任を問われることになるため、Aさんは先月この家を解体することを決めました。解体工事にかかった費用は150万円。仮に土地が売れても、マイナス分を回収することはできないと告げられています。

 

「本当は兄弟たちに権利があるわけだから、誰がどれだけお金を出しますかという話になるべきだ。納得はしていませんね」とAさんは声を荒げます。

一般社団法人相続終活専門協会 代表理事 

大学卒業後、住友生命保険に入社。その後、英スタンダードチャータード銀行にて最年少シニアマネージャーとして活躍。2009年、経営者層の税務・法務・ 財務管理・資産運用を行う「アレース・ファミリーオフィス」を設立。以降、3000件以上の相続案件を手がけた「相続のプロ」。数多くの相続争い(争族) を経験するなかで、争族を避けるノウハウを確立。そうした知見を幅広く認知してもらう目的で「一般社団法人相続終活専門協会」を設立し、代表理事に就任。

著書『プロが教える 相続でモメないための本』(アスコム刊)などがある。

著者紹介

連載相続専門家・江幡吉昭の「相続争いはこうやって防ぎなさい」

本連載に記載されているデータおよび各種制度の情報はいずれも執筆時点のものであり(2020年8月)、今後変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧