「絶望しかない」亡母の遺産めぐり…ケチった次女の当然な末路

いつの時代もなくならない相続トラブル。「生前しっかり話し合ったから大丈夫」…ではないのです。大切な人の死後、まさかの事態が起きてしまったら? 相続終活専門協会代表理事・江幡吉昭氏が実際の事例をもとに解説します。 ※本連載は遺言相続.com掲載の事例を編集したものです。プライバシーに配慮し、相談内容と変えている部分があります。

弁護士 vs 素人。もちろん、言われるがまま…

<相談者>次美さん:妹。姉である長子さんと母の相続をめぐってトラブル中。

 

「最近、母が亡くなって、姉の長子と遺産分割でもめています。でも最近、姉は弁護士を入れてきました。その弁護士と私(妹)でやり取りしています」

 

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相続の相談を受けているとこういうケースに出会います。典型的な「危ない」事例です。弁護士は「利益相反」になるため二者の双方の代理人にはなりません。片一方の代理人でしかないからです。

 

どういうことでしょうか。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

民法(108条)にて「双方代理」行為は禁止されています。弁護士は法の専門家ですからこの双方代理を厳格に守ります。当然、姉妹双方の代理人になれません。

 

今回のケースで、姉はA弁護士に頼んでいるわけですから、妹である次美さんはA弁護士ではなく、ほかの専門家に依頼する必要があるわけです。

 

■気がつけば弁護士の言いなりになっていた

 

母の死後、遺産分割についての話し合いが決裂し、姉の長子さんはA弁護士を雇いました。妹の次美さんは弁護士の事務所に呼び出され、数ヵ月に一度通っていました。

 

事務所に行く度にA弁護士から「あの書類が足りません」「これを持ってきてください」と伝えられ、次美さんは言われるがまま都合の悪い証拠資料を提出させられていました。結果として法定相続分(今回のケースでは2分の1)より少ない遺産分割の証拠ができあがってしまったのです。

 

ついにはA弁護士から「次美さんは生前色々とお母さまからもらっていたので、遺産分割について半分を相続させるわけにはいきません。納得いかないのであれば、家事事件として調停に行きましょう」と言い放たれました。

 

まさに弁護士からすれば“カモがネギをしょって来る”といったところです。

 

次美さんは「だって、弁護士さんってすごい人でしょ? そんなすごい人が私に悪いようにするはずはなく、うまく姉の長子と調整してくれるもんだとばかり思っていた」と嘆いていました。

 

しかし現実には違います。

一般社団法人相続終活専門協会 代表理事 

大学卒業後、住友生命保険に入社。その後、英スタンダードチャータード銀行にて最年少シニアマネージャーとして活躍。2009年、経営者層の税務・法務・ 財務管理・資産運用を行う「アレース・ファミリーオフィス」を設立。以降、3000件以上の相続案件を手がけた「相続のプロ」。数多くの相続争い(争族) を経験するなかで、争族を避けるノウハウを確立。そうした知見を幅広く認知してもらう目的で「一般社団法人相続終活専門協会」を設立し、代表理事に就任。

著書『プロが教える 相続でモメないための本』(アスコム刊)などがある。

著者紹介

連載相続専門家・江幡吉昭の「相続争いはこうやって防ぎなさい」

本連載に記載されているデータおよび各種制度の情報はいずれも執筆時点のものであり(2020年8月)、今後変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。

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