いつの時代もなくならない相続トラブル。今回は、相続終活専門協会代表理事・江幡吉昭氏が、自筆証書遺言に関するトラブルを紹介します。 ※本連載は遺言相続.com掲載の記事を再編集したものです。

自己流の遺言書が家族をバラバラにした悲劇

葬儀から1週間ほど過ぎたころ、父・Aさんの自筆証書遺言を発見しました。その遺言書には、Aさんが所有しているアパートについて詳細が記載されていました。

 

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「長男・Bにはアパートを相続させる。次男と長女には私の預貯金を均等に相続させる」

 

(※写真はイメージです/PICTA)
(※写真はイメージです/PICTA)

 

ところがこの遺言書には、土地に関する記載がなかったのです。遺言書にあったとおり、Bさんは父のアパートを相続することができましたが、土地についてはほかの相続人と共有することになってしまいました。

 

すると間もなく、長女のCさんが「土地を売りたい」と言い出しました。もちろんBさんは拒否。次男も参戦し、大騒動に発展してしまいました。

 

挙句の果てに次男に至っては「本当に父さんの書いた遺言書なのかこれは? なんでアパートを兄さんだけもらえるんだ」と疑い出す始末。もともとよくなかった仲がさらに悪くなってしまったのです。

専門家が解説…「自筆証書遺言」とは

そもそも自筆証書遺言とは何でしょうか? その名のとおり、自分で書いた遺言です。大きく分けて公証役場の公証人に作成してもらう「公正証書遺言」、自分で書いた「自筆証書遺言」の2つにわけられます。

 

自筆証書遺言には、「紛失」「改ざん」「不発見」といったリスクが潜んでいます。このデメリットをなくしてくれるのが、この自筆証書遺言の法務局での保管制度です。

 

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本連載に記載されているデータおよび各種制度の情報はいずれも執筆時点のものであり(2020年12月)、今後変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。

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