
「これを食べると病気にならない」といった根拠のない健康情報番組や、芸能人にちょっとした異常値が見つかっただけでおそろしい病気が見つかったような過剰な演出を行い、受診者の寿命が極端に短いがごとく煽動する番組など、視聴者(患者)に誤った医療知識を植え付けてしまうTV番組が後を絶ちません。今回は、愛知医科大学・内科学講座肝胆膵内科学准教授である角田圭雄氏の書籍『MBA的医療経営』(幻冬舎MC)より一部を抜粋し、「医療安全」を実現させるために必要なことを解説します。
医療を「100%安全」にするには膨大なコストがかかる
医療安全は人の命といった倫理的側面ばかりが強調されて語られることが多いですが、実際に医療を100%安全にするには膨大なコストがかかるというコストの視点も必要です。
医療安全が100%になるなら、国民全員から毎年1億円徴収してもよいでしょうか。コストとリスクはトレードオフの関係にあり、コストとリスクの合理的な妥結点を見いだすべきと思います。感情的なリスクゼロを謳う医療安全は廃止すべきですし、個人に責任を負わせる、いわゆる犯人探しからも離脱しなければなりません。
しかし、人命を預かる以上、安全性を追求し、常に改善していく作業は重要です。それでは実際に、医療安全を実現するのに大切なことは何でしょうか?

「医療安全実現」のために大切な4つのこと
まず第一に、医学に対して常に謙虚であることが挙げられます。医療者が医学で人の命を左右できると思っているとしたら、それは極めて傲慢です。私を含めてほとんどの医療者はなにひとつ自身で開発したものなどないのですが、患者さんに治療を与えてやるかのごとく偉そうな診療を行っている医師をしばしば目にします(医療パターナリズム、父権主義)。
今もなお医学は進歩の途上にあり、我々は医学全体の0.01%も知り得ていないのは? といった謙虚さが求められると思います。
第二に、常に学びの姿勢と科学の視点をもつことが挙げられます。十分な知識、最新医学情報の取得に加えて、積極的な姿勢、好奇心、他人の発言を鵜呑みにしない(自身で調べた事実のみを信じる)といった科学の視点を持ち続けることです。
以前、薬剤処方の間違いが多いから、よく似た名前で間違い易い薬剤の採用を控えるという病院がありました。間違えるから採用を控えるでいいのでしょうか。いつまでも組織の成長を避けていて、本当に安全な医療が提供できるでしょうか。
一方で、現代医療は次々と新薬が創薬され、新しい知識を積み上げていくにも膨大な時間が必要になっていることも事実です。組織内に知識をどのように普及させていくかといった組織におけるナレッジマネジメントは重要課題です。
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