おそらく多くの皆様が壺Ⅰを選びます。よく考えていただくと確率的にはどちらの壺を選んでも玉の色が当たる確率は同じです。しかし、不確実な壺Ⅱを選ばないのです。これを
エルスバーグのパラドックスと呼び、人は不確実性を回避しようとします。
統計的確率を適用できるのが「リスク」、統計的確率を適用できないのが「不確実性」と考えられます。医療においてはリスクよりも不確実な要素が大きいわけです。事前にリスクを設定することができないからです。トランプ大統領が危惧されているのはリスクが高いからではなくて、不確実性が高いからだと考えます(まるでトランプのようにどのようなカードが配られるかわからない)。
医療においても患者はリスクよりも不確実性を嫌うものですし、経営とは不確実な中で意思決定を行うものですが、病院経営者にもこの不確実性を嫌う方は多くいます。現状維持バイアスとともに、イノベーションを阻害します。
※本記事は連載『MBA的医療経営』を再構成したものです。
角田圭雄
愛知医科大学/内科学講座肝胆膵内科学准教授
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