厚生労働省によると、日本の離婚率は35%、離婚件数は20万件を超えるといわれています。しかし、ひと口に離婚といっても状況は違います。特に資産が多い夫婦の場合は、離婚したいと思ってもひと苦労。そこで離婚問題の中でも特に争いとなりやすい「財産分与」について、弁護士であり、プライベートバンカーライセンス(富裕層向けコンサルタント資格)を保有する岩崎総合法律事務所の岩崎隼人弁護士がQ&A形式で解説していきます。

 

IPO後の上場企業の例ですが、共有財産約220億円のうち、約5%(10億円)の限度でしか財産分与を認めませんでした。会社経営等の特殊な能力・努力が必要なものについては、しっかりと主張することが重要です。

 

評価方法、資産形成への自らの寄与度を考慮してもなお、流動性のある資産が少なく、どうしても清算金の支払原資が不足してしまう場合もあると思います。

 

この場合、お相手は株式買取請求権を行使するよう迫ることも予測されますが、これについてはそもそも買い手となる第三者の有無や当該第三者の真意を正しく見極めた上で、分割の支払いや支払免除等の交渉を試みることがお客様の会社を守る観点からは重要です。

 

Q.婚姻前にストックオプションの割り当てを受け、婚姻後にすべて行使して株式を取得し、これらすべてを売却した場合、その売却益は財産分与の対象になるのでしょうか?

 

婚姻前から有する個人資産は特有財産となるため、ストックオプションの付与が婚姻前であれば、ストックオプション自体はもちろん、さらにその行使により取得した株式、その株式売却益も特有財産といえます。

 

しかし、ストックオプション売却後に共有財産と混在するような状況になってしまった場合、分与時に紛争化するリスクがあります。したがって、売却代金を夫婦生活のために入出金で使用しない口座に入金して、以後も当該口座からの出金等は婚姻費用に充当しないなど、共有財産と明確に分けた形で管理することをおすすめします。

 

当該管理の実績は、万一の裁判に耐えられる内容であることを意識して、証拠化して整理しておくことが重要です。

 

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