米大統領選テレビ討論会、今回は普通だった

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9月のテレビ討論会におけるトランプ大統領へのマイナス評価や自身のコロナ感染でバイデン候補との差が開きつつあります。トランプ大統領にとって、直接対決で劣勢を挽回する機会です。一方、世論調査で優勢と見られているバイデン氏にとっては致命的な失点だけは抑えたいところです。全体的な印象としてバイデン氏、トランプ氏共に目立った点はなかったように思われます。

米大統領選挙テレビ討論会:最後の直接対決、前回に比べ討論会らしさが戻る

米国大統領選挙まで残すところ10日余りとなる中、共和党トランプ大統領と民主党バイデン前副大統領による2回目のテレビ討論会が、2020年10月22日夜(日本時間23日午前)に始まりました(15日の討論会は中止)。

 

9月の初回のテレビ討論会は史上最低の討論会と酷評されたことから、今回は冒頭部分で相手候補のマイクを切る措置も導入されました。支持率で遅れをとるトランプ氏の討論会での戦略に注目が集まっています(図表1参照)。

 

日次、期間:2019年10月22日~2020年10月22日 出所:ブルームバーグのデータを使用してピクテ投信投資顧問作成
[図表1]大統領候補(トランプとバイデン)支持率の推移 日次、期間:2019年10月22日~2020年10月22日
出所:ブルームバーグのデータを使用してピクテ投信投資顧問作成

どこに注目すべきか:討論会、非難、市場の反応、テーマ、優勢

9月のテレビ討論会におけるトランプ大統領へのマイナス評価や自身のコロナ感染でバイデン候補との差が開きつつあります(図表1参照)。トランプ大統領にとって、直接対決で劣勢を挽回する機会です。一方、世論調査で優勢と見られているバイデン氏にとっては致命的な失点だけは抑えたいところです。全体的な印象として、バイデン氏、トランプ氏共に目立った点はなかったように思われます。

 

米大統領選の討論会を多くのメディアが報道していますが「普通の討論会であった」、「メモを取ることが出来た」などと評価(?)しています。普通の討論会であったというコメントの意味は、それほど前回の討論会が非難の応酬に終始する酷い内容であったことを述べています。一方で、討論会の内容にも特に驚くようなトピックはなく、無難な討論会であったという意味も含まれているように思われます。

 

日本時間における市場の反応を見ると、為替市場では討論会開始後、小幅に円安・ドル高となりました(図表2参照)。時間外取引で米国株式先物市場の動きを見ても小幅な上昇にとどまっています。米国時間での市場の動きを確認する必要はありますが、今のところ討論会は無事通過したというのが市場の反応のように見えます。

 

日次、期間:2019年10月23日~2020年10月23日(S&P500は22日まで) 出所:ブルームバーグのデータを使用してピクテ投信投資顧問作成
[図表2]米S&P500種指数と円(対ドル)の推移 日次、期間:2019年10月23日~2020年10月23日(S&P500は22日まで)
出所:ブルームバーグのデータを使用してピクテ投信投資顧問作成

 

もっとも、今回のテーマは「新型コロナウイルスとの戦い」「米国の家族」「人種問題」「気候変動」「安全保障」及び「リーダーシップ」の6項目で、経済問題を直接取り上げていないだけに、米国時間の動きを見る必要はあります。

 

なお、米メディアCNNによるどちらの討論者が優勢だったかを調べる速報のサーベイでは53%がバイデン氏、39%がトランプ氏が優勢という結果でした。ただこの調査は民主党支持者が多い中での結果であること、前回の討論会ではトランプ氏はわずか28%であったことを思えば、他の調査を確認する必要はありますが、今回の討論会はかなり接戦であったのかもしれませんが、議論はお互いに深まっていないと思われます。

 

なお、政策ではバイデン氏からは最低賃金引き上げをすべき時期と明確に述べていましたが、一方でコスト増に直面するかもしれない小規模企業の救済を強調するなどわかりにくい面もありました。しかし、環境対策投資で雇用を生むのが基本戦略という点は、新鮮味はなく、新たな支持獲得につながるのか不明ですが、一貫性は見られました。

 

一方で、トランプ氏は6つのテーマの多くが防戦に追われる内容であったことから政策面のアピールは限定的で、相手の弱点を攻撃する姿が目立ちました。相手を非難する戦略は、一定の支持は得られるかもしれませんが、劣勢を挽回できるかは疑問です。

 

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『米大統領選テレビ討論会、今回は普通だった』を参照)。

 

(2020年10月23日)

 

梅澤 利文

ピクテ投信投資顧問株式会社

運用・商品本部投資戦略部 ストラテジスト

 

ピクテ投信投資顧問株式会社
運用・商品本部 投資戦略部 ストラテジスト 

日系証券会社のシステム開発部門を経て、外資系運用会社で債券運用、仕組債の組み入れと評価、オルタナティブ投資等を担当。運用経験通算15年超。ピクテでは、ストラテジストとして高度な分析と海外投資部門との連携による投資戦略情報に基づき、マクロ経済、金融市場を中心とした幅広い分野で情報提供を行っている。経済レポート「今日のヘッドライン」を執筆、日々配信中。CFA協会認定証券アナリスト、日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)

著者紹介

ピクテは1805年、スイス、ジュネーブにおいて会社創設以来、一貫して資産運用サービスに従事し、運用サービスに特化したビシネスモデルを展開してまいりました。信用格付ではフィッチ・レーティングスからAA-の格付けを取得しております(2018年5月末現在)。注:上記の格付はピクテ・グループの銀行部門の債務の信用に対するもので、運用部門や運用能力に関するものではありません

1981年、日本経済や株式市場の調査を目的に東京事務所を設立しました。その後、1987年から機関投資家を対象とした資産運用サービス業務を開始、1997年には投資信託業務に参入し、運用資産総額は1.98兆円となっています(2018年12月末現在)。外資系運用機関の大手の一角として、特色ある資産運用サービスをお届けしております。

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