「コロナショック」により、資格を持っていても安泰ではないと感じた会社員は少なくありません。今回は、株式会社プレジデントワン代表取締役である松久久也氏の著書『確実に利益を上げる会社は人を資産とみなす』(幻冬舎MC)より一部を抜粋し、現代の会社員に必要なものは何か、見ていきましょう。

資産と同様に、人材にも「耐用年数」がある

人材育成のために投入した時間と単価を掛け合わせれば人(社員)の資産価値を算出することができます。しかし、人を資産として考えた場合ネガティブな面が存在することを忘れてはいけません。人間である以上、その力が衰えることがあるのです。ここで人の資産にも“減価償却”という側面があることに注意を払わなければなりません。

 

資産に耐用年数があるように、人も努力しなければ確実に劣化します。2012年にはすでに私たちを取り巻く情報量は2.837ゼタバイトに達したといわれています。ゼタバイトとは情報量を示す尺度です。1ゼタバイトは世界中の砂浜の砂粒を合わせた数といわれています。

 

今後この情報量はさらに急速に増えていきます。新聞紙面を隈なく読むことさえできない私たちに、世界中に存在する砂粒の何倍もの情報がもたらされるという時代です。情報過多の時代では、人々の消費傾向はめまぐるしく変化していくものです。

資産価値を維持することが難しい時代

設備更新の期間が短くなっているともいわれています。例えば、喫茶店の内装でいえば、10年以上前は7年で改装していたものが今は5年とそのサイクルが短くなっているといいます。

 

税法上で定められた耐用年数が10年であったとしても、その資産に対する社会のニーズが弱くなれば、10年と保ちません。資産の劣化はどんどん速くなっています。社会変化の影響を受けない、個人が有する資産や企業内部で使用する資産が耐用年数を下回ることは少ないでしょうが、消費市場の影響を受ける資産の劣化は速くなっています。

 

このように、資産価値を維持することがとても難しい時代といえます。なかでも最も変化の影響を受けやすいのは人です。

 

そうした意味では、人材も減価償却資産と捉えるべきではないでしょうか。機械は時間とともに減価償却され、耐用年数の経過後はほぼ価値がなくなります。人もそれに当てはまります。ビジネスは常に社会の変化に曝さらされており、市場の変化にも迅速に対応し行動を起こさなければ瞬(またた)く間に競争力を失ってしまいます。ビジネスの現場で働く人は、まさにその最前線に立っていることになります。

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」

 

■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ

 

■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】

 

■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

次ページSONYや任天堂も…
確実に利益を上げる会社は人を資産とみなす

確実に利益を上げる会社は人を資産とみなす

松久 久也

幻冬舎メディアコンサルティング

人をコストとみるか。資産とみるか。その選択が、会社の明暗を分ける! 日本は超高齢社会を迎え、労働人口は目に見えて減少。年金財源の枯渇を防ぐべく、定年引き上げを実施する企業も増えている。今こそ「貴重な人材をどのよ…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧