民間企業がどれほど大変な状況か、みていきましょう。厚生労働省の「毎月勤労統計調査」によると、8月の現金給与総額は、前年比-1.8%の35万1378円(速報値)。新型コロナウイルスの感染拡大で緊急事態宣言が出された4月以降、前年比割れが続いています(図表1)。
また一般財団法人企業共済協会による「企業倒産調査」によると、2020年9月の倒産件数は、負債総額1,000万円未満の倒産で前年比35.7%増の57件、1,000万円以上は前年比-19.5%の565件となっています。コロナ禍の影響で厳しい経営環境は続き、「コロナ関連の倒産」が増えていると伝えられていますが、如実に数値に表れているとまではいえない状況です。ただ遠くない将来、コロナ禍の影響が倒産件数にもみえてくることは誰もが予測するところです(図表2)。
国家公務員と地方公務員、年収は?
コロナ禍の不安定な状況下で、公務員から民間企業への転職は、どうなのでしょうか。公務員に対して思うところは人それぞれ違いますが、安定性と給与が魅力であると答える人は多いでしょう。
公務員は、大きく国家公務員と地方公務員に分けられます。人事院の「国家公務員給与等実態調査 平成31年調査結果」によると、国家公務員は252,809人いて、平均年齢は43.1歳。俸給(国家公務員に対して支払われる給料)は平均33万8,969円で、地域手当等、扶養手当、住居手当、 俸給の特別調整額*など合わせた平均給与月額41万7,683円。さらに夏冬の賞与(期末・勤勉手当)を合わせると、平均年収は630万円ほどになります。課長クラスになると年収は1,000万円を超え、退職時には富裕層に仲間入りという人も珍しくないので、やはり国家公務員、給与だけみれば、憧れの職業だといえるでしょう。
*職務の複雑、困難もしくは責任の度または勤労の強度、勤務時間、勤労環境その他の勤労条件が同じ職務の級に属する他の官職に比して著しく特殊な官職に対し、その特殊性に基づいて俸給月額を調整するために支給されるもの
地方公務員は、自治体によって給与はさまざまですが、最も給与水準の高い東京都の場合、基本給は34万5,497円で、諸手当を含めた給与月額合計44万8,766円。さらに夏冬の賞与(期末・勤勉手当)の185万8,000円を含めると、平均年収は724万3,192円にもなります。
ちなみに地方公務員で最も平均給与が低い沖縄県で、月額36万9,220円。賞与160万4,700円を合わせると、年収は600万円を超えます(図表3)。
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