本記事は、書籍『妻に隠しごとがあるオーナー社長の相続対策』(幻冬舎MC)から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

成年後見制度よりも「家族信託」のほうが使いやすい!?

成年後見も家族信託も判断力が損なわれた人の財産を守り、本人の生活を支援するものです。

 

ただ、成年後見制度は「ノーマライゼーション(障害者と健常者が区別されることなく暮らせる社会を目指す考え方)」に基づいた制度と考えられます。そのため、財産管理よりも医療や介護といった身上監護の部分に比重が置かれている傾向があります。

 

財産管理や税務を重視するなら、家族信託の方が柔軟性もあり、使いやすい制度と言えます。

 

ところが、成年後見制度では「本人のために、もっと利益を得られるよう行動しなくては」ということに重きを置いているわけではありません。生活を送る上で問題のない収入を得られているのであれば、さらなる利益を追求することには不向きと言えるでしょう。

 

さらに受託者には報告義務がありませんが、法定後見人は年に一度、家庭裁判所に業務内容を報告する必要があります。どういったサポートを行ったのか、家庭裁判所や後見監督人に査定されるのです。大きな費用を必要とするような支援を行う時には、裁判所の承認が必要なのも成年後見人のデメリットです。

 

何を重視するかは人によりさまざまですが、小回りが利かないのでやはり不便を感じることが多い制度だと言えます。

次ページ成年後見制度よりも「家族信託」のほうが使いやすい!?

本連載は、2015年10月27日刊行の書籍『妻に隠しごとがあるオーナー社長の相続対策』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

妻に隠しごとがあるオーナー社長の相続対策

妻に隠しごとがあるオーナー社長の相続対策

佐野 明彦

幻冬舎メディアコンサルティング

どんな男性も妻や家族に隠し続けていることの一つや二つはあるものです。妻からの理解が得にくいと思って秘密にしている趣味、誰にも存在を教えていない預金口座や現金、借金、あるいは愛人や隠し子、さらには彼らが住んでいる…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録