もうひとつ、考えておきたいのが将来人口。不動産投資において東京が有望視されてきたのは、安定的な人口増加の推測から。しかしそこには地域差があります。2015年を100とし、2040年の推定人口*をみていくと、都心回帰の流れが鮮明にみられます。一方で、物件数が多い環状7号線沿いは、城南エリアを除き、人口減少の傾向を示すエリアが点在しています。さらに郊外は主要駅の周辺以外は人口減、東京駅から30km、JR中央線「立川」を越えると減少が顕著になります(図表4)。
*2015年と2040年の将来人口の推測を比較し、0~-25%は薄い水色、0~5%は緑、~10%黄緑、~15%黄、~20%薄橙、~25%濃橙、25%~赤
現状の物件数を維持したまま推測通り人口が減少していくと仮定すると、物件数が多く人口減少が推測されているエリアは、投資環境としては厳しいエリアになると考えていいでしょう。
新型コロナウイルスの収束が見えない状況で、専門家の意見はますます割れています。また現在発表されている将来図は、どれもコロナ禍前のもの。今後、大きく変わる可能性は高いといえます。投資家ができることは、情報取集を小まめに続け、方向性を見極めることになりそうです。
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