恐ろしい…鉄筋コンクリートの「明らかな弱点」
コンクリートとは非常に古臭い、代わり映えのしない基本材料です。しかしそれは、鉄筋コンクリートが人間の生活にとってすばらしい材料であり、工法であることの証です。簡単にいってしまえば、ほかに代替えのきくものがないほど、人間と相性が良い材料なのです。
とはいえ残念なことに、ほとんどの方は学校などでコンクリートについて教わった記憶はないでしょう。都市の大部分を形成し、その内部で私たちが生活しているのにもかかわらず、どのような物質でどのような性質を持っているかを知る機会は与えられていません。
■コンクリートという素材は「経年劣化」が避けられない
マンション建築を簡単に説明すると、その外側をつくるにあたっては合板でコンクリートの型を一層ごとにつくり(仮枠といいます)、そのなかにコンクリートを流し込むことから始めます。ただし、コンクリートだけでは引っ張られる力に対して弱くなってしまうので、強度を確保するために設計段階での定めに従って、鉄の細い棒(鉄筋)を事前に仮枠のなかに入れておきます。このように鉄筋が内部に入って固められたものが鉄筋コンクリートです。現在、ほとんどのマンションはこの工法でつくられています。
こうして鉄筋コンクリートで主要構造部分ができあがったあとに、美観を整えるために塗装やタイル貼りを施し、機能的には窓や配管を取り付け、なじみのあるマンションが完成するわけです。
つまり、マンションのベースは鉄筋コンクリートということ。その点がわかれば、建物を守るためには、コンクリートを守るというのが前提となることが理解できるはずです。
マンションは鉄筋コンクリートであり、その強度は非常に優れています。地震に強く、燃えません。多くのマンションが鉄筋コンクリート製であるのはまさにそれが理由です。
しかしながら、そんな鉄筋コンクリートにも弱点があります。それは「経年劣化」、時間とともに品質・性能が低下することです。それはコンクリートの素材の性質上、避けることができません。