新型コロナウイルス感染拡大で医療現場はひっ迫し、医療崩壊ともいわれるなど、現場の医師や看護師、そして病院に注目が集まった。全国に緊急事態宣言が出された大混乱のさなか、ある医師から一本の電話がヘッドハンターにかかってきた。「どうやら資金ショートの噂が広がり、来年の春まで持たない。紹介できる病院はないか」と。もはや病院といえども安心の職場ではなくなった。ヘッドハンターが医師の転職の舞台裏を明かす。

いま医療界で起きているパライムシフト

医師の転職を支援する人材紹介会社のほとんどは登録型です。転職を考えている医師が人材紹介会社に登録し、医師を求めている医療機関とのマッチングを行うというものです。

 

一方、当社はクライアントである全国の病院からの依頼を受け、最適な医師を見つけ出して紹介するという、全国でも数少ない100%サーチ型の人材紹介会社です。

 

前述したように、いま医療界では病院の再編統合が進められています。そうしたなか、生き残りをかけて有能な医師を集めようと、医療機関が活発に動いています。当社にも全国のクライアント病院から優秀な医師を求める依頼が増えています。 

 

私はクライアントの要望にかなう医師を探し出し、直接アプローチします。そして面談をする際には、いま医療界で起きている再編統合の動きとともに、日本の医療そのもののパラダイムシフトに関して詳しくお話します。それは目の前の現象だけでなく、その背景にある人口減少など日本社会全体の構造変化について、歴史的な話からひも解いていきます。

 

日本社会全体の変容につい話していくなかで、現在進められている病院の再編統合の意味や、その方向性を説明します。私がお会いする先生方の大半はそうした情報に接するのは初めてということで、みなさん非常に関心をもって耳を傾けられます。ありがたいことに多くの先生に「勉強になった」とおっしゃっていただけます。

 

こうしたアプローチ法は同業のエージェントとはまったく異なります。同業他社は基本的に条件マッチングしか行いません。新しい病院でのポジションはこうで、どんな役割を期待されていて、給与はいくらです、といったことだけです。少なくとも私がお会いした先生方から、私と同じような内容の話を他社では聞いたことがないといわれます。

 

これが当社の最大の強みになっています。いま医療界で起きているパラダイムシフトは、単に医師の転職だけではなく、先生方の今後の家族の将来設計であり、または社会生活にかかわっていく根幹の部分だと考えています。

 

武元 康明
半蔵門パートナーズ 社長

 

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