年々、義務教育における英語学習の低学年化が進んでいます。小学生の子の「英語」を伸ばすには、どうすればよいのでしょうか? 家庭で手軽に実践でき、自主的に勉強する習慣が付く方法を紹介。※本連載は、桜ゼミナール塾長、チャイルドコーチングアドバイザーの安村知倫氏の著書『子どもの成績を「伸ばす親」と「伸ばせない親」の習慣』(明日香出版社)より一部を抜粋・再編集したものです。

中学生になると突然「英語嫌い」に…進学後の落とし穴

学校の英語活動で、英語への苦手意識を持ってしまう子は少なくありません。

 

現在の小学生の英語活動は「話す・聞く」が中心のカリキュラムなので、単語の意味を覚え、書く授業はありません。

 

授業では、「Good morning」は「おはよう」のことだとイディオムで学びます。「話す・聞く」の授業は楽しいので、最初のうちは苦手意識をなくすには効果があると思います。

 

ただし、小学校の頃は楽しそうに英語を話していたのに、中学校に入ってから英語嫌いになってしまう子もいました。中学からの英語の授業の変化についていけず、小学校の頃の楽しいと思っていた英語もつまらないと感じてしまったのでしょう。

英語を感覚的に理解していく…「音読」のスゴい効果

長期的に見て英語が得意になる子を育てる方法を2つ教えます。

 

1つ目は、英文の音読と暗唱をできるようにすること。これは、苦手意識をなくすためのものなので、学校の「話す」の授業に近いと思います。

 

英語が苦手になる理由の大半は、英語が読めなくなることです。英語は言葉ですから、スラスラ読めないだけで「わからない」と思ってしまいます。反対に、英語をスラスラ読めれば、それだけで英語の勉強に自信が持てるようになります。

 

音読と暗唱を習慣にしていれば、英語の語順も自然と身につきます。感覚的に、英語と日本語は語順が違うのだということを、小学生のうちに理解させておくのです。

 

例えば、「私はテニスをする」は、英語で「I(私は)play(する)tennis(テニスを)」となり、言葉の並び方が変わります。

 

この日本語と英語の違いが感覚的にわかっていれば、中学校で学ぶ英文法もスムーズに理解できるのです。もちろん、小学生のうちは主語・動詞・形容詞などの難しい用語は必要ありませんので、安心してください。

 

2つ目は、英単語の意味を覚えておくということです。中学に入ってからは「good(良い)」「morning(朝)」と単語1つひとつの意味や文法も学んでいきます。

 

6年生になったら、中学生になる準備として、1つひとつの単語の意味を覚えることにも慣れたほうがいいと思います。

 

英単語は単語を1つずつ単独で覚えようとすると覚えにくく、忘れやすいものです。実際に使われる場面を想定した例文で覚えるのが効率的でしょう。

 

小学生向けのオススメ英単語教材は、『キクタン小学生』(アルク)です。「I like red」「I like blue」のような例文が掲載されていて、CDで単語の発音と意味を覚えることができるので、忘れにくくなります。1ページ読んだらごほうびにシールをあげて、そのページに貼っていくといいでしょう。子どもはシールがたくさん並ぶと喜びます。音読をたくさんして英語の並び順に慣れ、単語の意味を理解しておく。この2つで、お子さんが進学したときに困らない英語力が身につきます。ご家庭でも、まずは音読練習から始めてみてください。

 

良い例:「英文を音読して覚えよう!」

悪い例:「とにかく単語を書いて覚えて!」

 

【まとめ】伸ばす親は、語順・単語の意味を理解させておく!

 

 

安村 知倫

桜ゼミナール塾長

チャイルドコーチングアドバイザー

 

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子どもの成績を「伸ばす親」と「伸ばせない親」の習慣

子どもの成績を「伸ばす親」と「伸ばせない親」の習慣

安村 知倫

明日香出版社

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