特別養護老人ホームは月10万円前後の利用料だが…
■定年後に安心して暮らすには「年収+200万円」必要
前述の金額はあくまで平均値ですから、老後をどこで暮らすかによって大きく変動します。
国や自治体の補助金が出ている特別養護老人ホームは、入居金がなく、月々の利用料も1人当たり10万円前後と安価なので現状の年金受給額を維持できていれば入居可能でしょう。しかし、その安価さゆえに待機者が多く、入居申請から入居まで数年かかることも珍しくありません。また、相部屋しか空かないというケースもあるので落ち着いて暮らしたい人には向きません。
その対極にあるのが、民間企業が運営する有料老人ホームです。この施設は比較的豪華なつくりが多く、高級マンションと見間違えてしまうようなものもあります。居室も広めの個室で、その分費用がかかり、入居一時金は1人当たり数百万円から数千万円。毎月の利用料は十数万円から数十万円、となれば、年金だけで住むことは、まず不可能です。
平均的な支出でも毎月6万円近い赤字、少し豪華な老人ホームを望めば数百万円以上の一時金…。老後は必ず、ある程度まとまったお金が必要になるのです。
仮に40歳なら定年まであと25年です。5000万円を25年で貯めるとすると、現在の年収にプラスして200万円はなければ、老後の生活に不安を抱えることになります。
しかし、家族が喜ぶディズニーランドも海外旅行もあきらめ、ぎりぎりの生活で200万円を積み立てていくのは、あまりにもさびしい人生です。それどころか、少しでも子に良い教育をと考えるなら、あるいは少しくらい生活に余裕をと考えるなら、もう100万円プラスして収入がほしいところです。
※ 本記事は書籍『サラリーマンが30代から「アパート経営」で年収を300万円以上増やす方法』から抜粋したものです。税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、ご了承ください。