6種類のジャムを試食できるコーナーと、24種類のジャムを試食できるコーナーを設置して、客の行動を観察すると、6種類の場合は客の30%、24種類の場合は客の3%が購入したとの結果が得られています。24種類の方が多くの客が来たものの最終的な購買に繫がらなかったという結果です。
バリー・シュワルツも同様に、『選択のパラドックス(The Paradox of Choice)』の中で選択肢が多いことが幸せに繫がるわけではないと主張しています。異性にもてる人はきっととても辛いと思います。多くの異性から声を掛けられるがゆえに、もっと良い選択ができると思うといつまでも選択できなくなります。一方、異性にもてない人は自分のことを好きだといってくれる人はこの人しかいないと思えますから、自信を持って選択できて幸せになれるのです。
胃癌の腫瘍マーカーが高いので内視鏡検査が必要と思いますが、患者が上部内視鏡検査を拒否しています。あなたならどのようにして検査を受けさせますか?
このケースでは上部と下部の内視鏡検査の2つの検査が必要ですと説明します。そうすると、2つの内視鏡検査は少し大変だと、患者が躊躇すれば、では上部内視鏡のみでどうですかと提案します。
このように相手の承諾を得たいとき、まずわざと大きな要請をして、相手に拒否させてから小さな要請(本来の要求)をすると、承諾を得やすいことが分かっています。このような承諾誘導の手法をドア・イン・ザ・フェイス・テクニック(Door in the face technique:譲歩的要請法)と言います。
わざと大きな要請をして、相手に拒否させてから小さな要請(本来の要求)をすると、相手にはこちらが「譲歩」したように見えます。すると「相手が譲歩したのだから、こちらも譲歩しなければ」という心理が働き、結果的に小さな要請を承諾します。
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