新型コロナウイルスの流行により、全世界で医療崩壊が相次いだ昨今、「命の線引き」という言葉も取り沙汰されるようになりました。ジレンマに苦悩する医療従事者も多く、医療現場では「医師のマネジメント」が重要になっています。そこで本記事では、愛知医科大学・内科学講座肝胆膵内科学准教授である角田圭雄氏の書籍『MBA的医療経営』(幻冬舎MC)より一部を抜粋し、解説していきます。

 

6種類のジャムを試食できるコーナーと、24種類のジャムを試食できるコーナーを設置して、客の行動を観察すると、6種類の場合は客の30%、24種類の場合は客の3%が購入したとの結果が得られています。24種類の方が多くの客が来たものの最終的な購買に繫がらなかったという結果です。

 

バリー・シュワルツも同様に、『選択のパラドックス(The Paradox of Choice)』の中で選択肢が多いことが幸せに繫がるわけではないと主張しています。異性にもてる人はきっととても辛いと思います。多くの異性から声を掛けられるがゆえに、もっと良い選択ができると思うといつまでも選択できなくなります。一方、異性にもてない人は自分のことを好きだといってくれる人はこの人しかいないと思えますから、自信を持って選択できて幸せになれるのです。

 

【ケース2】

胃癌の腫瘍マーカーが高いので内視鏡検査が必要と思いますが、患者が上部内視鏡検査を拒否しています。あなたならどのようにして検査を受けさせますか?

 

このケースでは上部と下部の内視鏡検査の2つの検査が必要ですと説明します。そうすると、2つの内視鏡検査は少し大変だと、患者が躊躇すれば、では上部内視鏡のみでどうですかと提案します。

 

このように相手の承諾を得たいとき、まずわざと大きな要請をして、相手に拒否させてから小さな要請(本来の要求)をすると、承諾を得やすいことが分かっています。このような承諾誘導の手法をドア・イン・ザ・フェイス・テクニック(Door in the face technique:譲歩的要請法)と言います。

 

わざと大きな要請をして、相手に拒否させてから小さな要請(本来の要求)をすると、相手にはこちらが「譲歩」したように見えます。すると「相手が譲歩したのだから、こちらも譲歩しなければ」という心理が働き、結果的に小さな要請を承諾します。

 

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MBA的医療経営 目指せ!! メディカルエグゼクティブ

MBA的医療経営 目指せ!! メディカルエグゼクティブ

角田 圭雄

幻冬舎メディアコンサルティング

MBAの視点から医療機関を経営するための最新知識を網羅する1冊。 病院経営は、営利を目的とした企業の経営とは多くの点で異なります。診療や看護、医療技術や医療事務などの特定分野の管理能力、そして「全体最適」の視点が必…

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