「習い事が続かない」と言われたら、次に何を考える?
■社会のニーズは消費者の意見から探る
何を事業にするか見つけたら、まずはその事業に社会のニーズがあるかどうかを調べてみるとよいでしょう。
その際のポイントは、できるだけ消費者個人の本音や生の声を聞くことです。流行り廃りなどは、ニュースやメディアを見ているだけでもなんとなくつかめます。晩婚化、シェアリング、AIなど、ニュースのキーワードを追っていくだけでも、世の中がどんなことに注目しているかが見えてきます。
しかし、そのような情報は抽象的で、ニーズの表面だけを取り上げている場合がほとんどです。世の中全体の流れをざっくりとつかむうえでは役に立ちますが、社会に潜むニーズをすくい上げるには、もっと具体的な情報に耳を傾ける必要があるのです。
その具体的な情報は、商品やサービスにお金を払う消費者が持っています。友人や知人も消費者ですし、家族や自分自身も消費者ですから、彼らや自分が「こんなものがほしい」「こんなサービスがあったらいいな」と感じていることが、実際の商品やサービスになる可能性を秘めています。
例えば、友人との会話で「習い事が続かない」といった話を聞いたとします。これを他愛のない日常会話ととらえれば「分かる分かる」「そうだよね」で終わってしまいますが、友人が消費者であるという意識を頭の片隅に持っておくと「続かない」という課題や「続けたい」というニーズが見えてきます。そのニーズに応えることで、ライザップのようなマンツーマンのサービスが生まれました。「家に要らないものがある」「処分に困る」といった悩みについても、そのニーズに応えたのが、ブックオフでありメルカリです。
多くの人が感じ、自分も共感できるような普遍的な悩みを解決できるなら、そこに大きなビジネスチャンスがあります。共感者が多いということはニーズが大きいということですから、事業にすることによってたくさんの人の役に立ち、稼げる可能性も大きくなるでしょう。社会のニーズを満たす事業のヒントは身近なところにあるものなのです。
仙道 達也
株式会社マーケティングフルサポート代表取締役/マーケティングコンサルタント/プロデューサー