ストライク、9月からは原則として毎月セミナー開催へ
M&A(合併・買収)仲介大手のストライクは事業承継や事業買収・売却を目指す中小企業経営者を対象とした無料セミナーの開催を約3倍に増やす方針だ。セミナーは原則、3カ月ごとに開いていたが、9月からは原則として毎月開催する。
少子・高齢化や後継者難を背景として事業承継の需要は高まっている。日本政府からも中小企業の生産性の低さを指摘する声が出るなか、企業の「選択と集中」や合従連衡が進む可能性が高まっている。
ストライクはこうした中小企業や経営者の需要に応えるため、経営者の声を直接吸収できるM&Aセミナーの開催を加速させる。
9月は生命保険代理店向け、10月はM&Aセミナー開催
ストライクは9月9日~17日には専門家を招いて生命保険の代理店向けのウェブセミナーを開催。法人保険の税制変更後の実務や今後の保険販売の方向性を説明した。
10月にもM&Aウェブセミナーを開催。20日にライブ配信、28、31日にはセミナーの様子を録画で配信する。ストライクの荒井邦彦社長とコンサルティング大手のタナベ経営でM&Aのコンサルティングを手掛ける丹尾渉部長が講演する。
ストライクはM&A仲介大手で、2017年に東証一部に上場した。年商1億~100億円程度の中小企業の事業承継や企業・一部事業の売却を検討している経営者を、買収を検討している企業と結び付け、M&Aを通じた後継者不在問題の解決や企業の生産性向上に取り組んでいる。
8月~9月のセミナーでは、出井元ソニー会長が登壇
ストライクが8月~9月に開催したM&Aセミナーでは、クオンタムリープの出井伸之会長(ソニー元会長)が講演し、新型コロナウイルスの感染拡大について「日本が変われるチャンスだ」と指摘した。「改革には技術革新やパラダイムシフトが必要で、日本はまだモノづくり(だけが得意な国)から脱することができていない」とも述べ、経済・社会の改革の必要性を訴えた。
同氏は講演で、近代日本は、1945年の第二次世界大戦での敗戦、1985年のプラザ合意による円高と対外競争力の低下、2000年のインターネットビジネスでの出遅れという3つの敗戦を経験したと説明。改革が進まなければ、「新型コロナショックは4回目の敗戦になりかねない。今こそ日本は変わらなければならない」と強調した。
そのうえで、出井氏は「改革への脅威はpassive-aggression(面従腹背)だ。表面上は賛成するが、実際は変革に反対する人たちがいる」とも指摘。無形の情報資産の重要性も強調し、「独特なデータを集めてくる企業が成長していく」との見方を示した。
資産を「守る」「増やす」「次世代に引き継ぐ」
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