「駆除すべき対象としてしか見ていなかった生き物に対して、ネズミさんたちと呼びたくなるほどに親しみを感じている」「解き明かして得たネズミさんたちの習性が、今後のドブネズミ駆除に役立つのであれば、私にとってこれ以上喜ばしいことはない」――ネズミ捕獲のプロ・山﨑收一氏は書籍『捕獲具開発と驚くべきネズミの習性』(幻冬舎MC)で、そう語っています。

初のクマネズミ捕獲成功!かわいい目をしていて…

2月6日、この工夫を加えたことで、7箱中3箱の中に入って食べていることが確認できた。さらに2月8日には、物置の前に設置した捕獲具でも中に入って食べていることが確認できた。こうして餌付けができたことになる。

 

ジャンプする行動の最中に数ミリ足元が下がるのは許せるのだろう。そして翌2月9日、物置入口に置いた奥行きの長い大きい捕獲具に1匹が捕獲されているのを確認した。

 

小さい個体だがかわいい目をしている。捕獲されたのに暴れるわけでもなく、前足を使ってパンを食べている[写真3]。初めてのクマネズミ捕獲である。

 

[写真3]
[写真3]

 

改良を加えた7箱でもクマネズミが捕獲できる事が確認できれば上々だと考えて、犬走りに設置した7箱をロックモードに切り替えてその日は帰った。ハムスター用の大き目のケージを購入し、餌と水を用意して、かわいい目をした子ネズミをしばらく飼育する事にした。糞尿で汚されることを考えて新聞紙を入れてあったのだが、すぐにその下に潜り込んだ。

 

次の日、リフォームを行っている業者から捕まっているとの連絡があり、飛んで行って捕獲された1匹を会社に連れて帰った[写真4]。

 

[写真4]
[写真4]

 

この、後で捕獲した1匹をケージに入れる際にとても面白い事が観察された。次回がその時の観察記録である。

 

続く…

 

本記事は連載『捕獲具開発と驚くべきネズミの習性』を再編集したものです。

捕獲具開発と驚くべきネズミの習性

捕獲具開発と驚くべきネズミの習性

山﨑 收一

幻冬舎メディアコンサルティング

ネズミにも感情がある!? 古くから人は、ネズミを捕獲するためにさまざまな仕掛けを考案してきた。しかしながらクマネズミだけは、そのいずれをもってしてもほとんど捕まえることができずにいる。それは何故なのか。新たな捕…

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