「駆除すべき対象としてしか見ていなかった生き物に対して、ネズミさんたちと呼びたくなるほどに親しみを感じている」「解き明かして得たネズミさんたちの習性が、今後のドブネズミ駆除に役立つのであれば、私にとってこれ以上喜ばしいことはない」――ネズミ捕獲のプロ・山﨑收一氏は書籍『捕獲具開発と驚くべきネズミの習性』(幻冬舎MC)で、そう語っています。

研究と死闘の末、ネズミは生け簀から消え去った…

パンだけ食べて捕獲できなかった捕獲具が4箱あった。そのうち3箱の中のパンはゼロになっていた。回収した捕獲具のうち、錆び始めている捕獲具が3分の1ほどあったので、清掃の時に流す海水によって錆が生じて、捕獲具がうまく作動しなかった事が原因と考えられる。

 

捕獲できなかったネズミがいるので、錆びていない捕獲具を選び数を減らして巣の近くに継続して設置すると、1週間ほどして1頭が死んだ状態で捕獲された。このネズミも体を丸くして座った状態で死んでいた。

 

多くの個体が捕獲されていなくなっているのに、捕獲具の危険性が全く認知されていない。親兄弟が行方不明となった異常事態なのに、それさえ分からない馬鹿な個体が残ったのであろうか?

 

餌付け期間が長い場合、捕獲具の危険性が認知されにくく、残った個体を捕獲することが容易であると考えた方が妥当だろう。そうすると、捕獲できずに残った個体がそんなに多くなかったことになる。

 

捕獲試験の期間を、調査期間も含めて約1カ月として許可を取っていたので、この時点で試験を終了した。その後ネズミはいなくなったとの事である。全ての個体を捕獲したとは思っていないが、この場所に生息するドブネズミのほとんどを捕獲できたと思っている。

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捕獲具開発と驚くべきネズミの習性

捕獲具開発と驚くべきネズミの習性

山﨑 收一

幻冬舎メディアコンサルティング

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