ひとり暮らしをしている高齢者は、「子どもや孫と一緒に暮らすこと」を望んでいる人ばかりとは限りません。しかし、望んでひとり暮らしをしている高齢者も、ケガや病気などで、いつか介護が必要になったらどうしよう、と不安を抱いている人は少なくないのです。今回は、シニア生活文化研究所・代表理事の小谷みどり氏の著書『ひとり終活』より一部を抜粋し、ひとり暮らしの高齢者が健康寿命を延ばすためにやるべきことを紹介します。

ニコニコ…人とコミュニケーションを図る

今日一日どれくらい笑いましたか。また、楽しい会話はあったでしょうか。笑いはNK(ナチュラル・キラー)細胞を活性化して身体の免疫力をアップすることはよく知られています。しかも笑っているときは腹式呼吸をしているので、全身の血流も良くなります。

 

しかし心配ごとや悩みごとがあるときや、頭やおなかが痛いなど身体の調子が悪いときには、自然な笑顔はなくなってしまいます。

 

体調が悪いと、自然な笑顔はなくなってしまうもの (画像はイメージです/PIXTA)
体調が悪いと、自然な笑顔はなくなってしまうもの
(画像はイメージです/PIXTA)

 

ひとりでテレビのお笑い番組を見て、げらげら笑うのもいいのですが、人とコミュニケーションすることで、ニコニコは生まれます。心配ごとや悩みごとがあっても、誰かに話すだけで気持ちがすっきりすることもあります。

 

「相手も同じような悩みを持っているのだ、自分だけではないのだ」とわかるだけで、安心できることもあります。誰かの役に立ち、「ありがとう」と言われたとき、うれしい気持ちになるのも同じです。ニコニコ実践のためにも、外出したり、誰かと交流したりしたいものです。そのためにも、前述したような地域の公園の体操教室や料理教室など、気軽に誰でも参加できる教室に出かけてみるのはどうでしょうか。

ドキドキ…好奇心を持ってチャレンジする

私の知人には、65歳を過ぎて、若い頃からあこがれていたクラッシック・バレエを習い
始めた人がいます。幼稚園児と一緒に、年に一度の発表会に出るそうです。

 

また、私が数年前から講義をしているシニア向けの大学講座には、70代、80代の学生がたくさんいます。「今さら勉強なんて……」と思う人もいるかもしれませんが、彼らは目を輝かせて熱心に大学に通ってきます。

 

新しいことを学んだり、チャレンジしたりするのに年齢は関係ありません。何歳になっても、いろいろなことに興味や関心を持ち、ドキドキすることは大切なのです。特にひとり暮らしの人は、家族への気兼ねなく、誰の反対を受けることもなく、チャレンジできるという利点があります。

 

次ページひとり暮らし高齢者にとって、とても大切なこと
ひとり終活

ひとり終活

小谷 みどり

小学館

元気なうちは気兼ねの要らない自由な暮らしがいいと思っていても、ひとり暮らしの人は、将来に不安を感じることも多い。 介護が必要になったら誰が面倒を見てくれるのだろう? 万が一のとき誰にも気づいてもらえなかったら…

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