「アンガーログ」を基に自分の怒りを分析する
アンガーログを1週間程度つけてみたら、振り返ってみましょう。振り返るときはゆっくりと落ち着いて時間が取れる時がおすすめです。アンガーログをひも解くことで、自分の怒りの癖、パターンのようなものが浮かび上がってきます。
アンガーログを見る時には次の3つのことに注意してください。
1.時間帯、場所
2.反応している言葉、行動、出来事
3.コアビリーフ
まず時間帯、場所です。特定の時間帯や場所でイライラしたり怒ったりすることが多くはないでしょうか。たとえば、通勤電車の中でイライラすることが多い、営業会議の前はカリカリしていることが多い、あるいは、あのお店でランチをするとなんとなく居心地が悪い……といった具合です。
もし特定の時間帯に怒りを感じることが多いのであれば、その時間帯は自分がイライラしやすいということを理解し、警戒します。特定の場所で不愉快になることが多いようであれば、その場所に行かない、行く回数を減らす工夫をします。
次に特に何か反応している言葉、出来事がないかを考えてみます。たとえば、「なんで?」という言葉を聞くと頭にくる、会話中に相手から「ふーん」という相槌を打たれるとイラッとする、せかせかしている人を見ると不愉快になる、大きな声で話をしている人を見ると無性に腹が立つ……といった具合に、私たちは特定の言葉、行動、ふるまい、出来事に反応し ています。
それが他の人にとってはどうとも思わないことだとしても、自分にとっては何かひっかかるものになっているということはよくあります。もしそういうものが見つかれば、その言葉、ふるまい等を見聞きした 時に、「あっ、自分は今この言葉に反応して怒りを感じているのか」と 自分の怒りを客観視できるようになります。客観視できるようになれば、慌てることなくその怒りに対処することができます。
最後に、その怒りを感じることになったコアビリーフを見つけます。コアビリーフは、怒りの裏には必ず潜んでいるものです。コアビリーフが裏切られることで、私たちは怒りの火花を散らします。
コアビリーフは、「〜するべき」「〜のはず」、(〇〇するのが)「普通」「当たり前」「常識」といった言葉で言い表せます。たとえば、待ち合わせに遅刻してきた知人に怒ることがあったとします。
ここに隠れているコアビリーフは「時間は守るべき」「遅刻はするべきではない」もしくは「人の時間は無駄にするべきではない」といったものです。コアビリーフは怒りの火種になるものです。自分がどのようなコアビリーフがあるのかを理解しておけば、なぜ自分が怒りを感じているのか簡単に説明できます。
安藤 俊介
一般社団法人日本アンガーマネジメント協会代表理事