お金は大切で、よりよい人生を生きるための1つのツールといえる。しかし、令和の時代は、なんでもあり。本連載では、プロ奢ラレヤー氏の“奢られ”て食い扶持を稼ぐという「新しい生き方」を紹介する。誰しも真似できる生き方ではなく、賛否両論もあるかもしれない。しかし、彼の生き方を知っていることで、いつか人生に躓いたときに「なんとかなるか」と肩の力を抜いて前を向ける、かもしれない。本連載は、Twitterを介して他人に奢られて生きるプロ奢ラレヤー氏の著書『プロ奢ラレヤーのあきらめ戦略』(祥伝社)から一部を抜粋した原稿です。

「働きたくない」を掘り下げた先は…意外と複雑

あなたにとって「働く」って何ですか?

「働く」ことの何が嫌ですか?

 

――もしこの問いへの答えが明確でないとしたら、「働きたくない」と思ったとしても、具体的に何を避ければいいのか、本当の意味ではわからないはずなんです。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

そうすると、ただただ「もう会社勤めは嫌だ……」とか「学校卒業して働きたくない」とか「バイトもしたくない」みたいな感じで一括(ひとくく)りに「働く」を嫌になるだけで、どうしたらストレスなくラクしながら豊かに生活できるかな、みたいな発想が生まれてこないんですよ。

 

でも、たとえばいま目の前で「時給は500円なんだけど、ネットカフェに居てくれさえすればよくて、勤務時間中もスマホをいじってても、漫画読んでてもOKなバイトなんだけど、やってもらえないかな?」って誘われたら、普段「働きたくね~」って人でも一定数の人は「まあやってもいいかな」ぐらいには思うはずなんですよ。

 

ただ、これって超ラクかもしれないし、漫画読み放題で楽しいかもしれないけど、指定された場所に存在することで給料が発生してるんで、「働いてる」状態って言えるじゃないですか。

 

それなのに「まあやってもいいかな」って思った人は、本当は「働きたくない人」なんじゃなくて、「強度の高い労働をしたくない人」だったわけなんですよ。

 

要は、「働きたくね~」と思っていたけど、実はいままで自分の知っていた労働形態の概念の中に、自分にマッチするものがなかっただけなんですよね。探したら自分的にまったく負担に感じない「働く」があった、みたいな。

 

僕がこういう錯覚(さっかく)に気づかされたのって、チェコに行ったときだったんですけど、チェコで働いてる人って日本人的には「え、これ働いてるの?」って感じだったんですよ。おしゃべりしてるし、呼んでもこないし、接客する気がないし。

 

ただ、時給はちゃんともらっていて、最低賃金のルールが違うから時給も安いのかもしれないけど、でもその程度の労働だし、みたいな。まさにさっき例で出したネカフェ状態。

 

だから、もし時給低くてもいいから労働強度を下げるほうがいい、となれば「じゃあチェコ行って働けばいいか」みたいな選択肢だって出てくるわけですよね。

 

そういう意味では、最近は僕だってUber Eatsならできそうかなとか思います。シフトもなければ上司もいないし、配達のときに人に会うくらいならいいか、みたいな。お金に困ったらUber Eatsやればいいから、いよいよ何も困らないな、と。

 

でもそれだって、人によっては「わずかな他人との接触もしたくない」とか「チャリンコ漕 こぎたくない」とか、その中に嫌な面を見出す人もいるはずなんです。

 

だからこそ、自分にとっての「働く」とは何なのかを明確に定義したほうがいい。そして、 「多くの人にとっては労働だけど、自分は働いている気がしない」とか「他の人にはご褒美だけど自分にとっては重労働でしかない」みたいな要素をちゃんと拾えると、しんどくなりようがないので、ラクに豊かに生きる道を進めるでしょう。

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プロ奢ラレヤーのあきらめ戦略

プロ奢ラレヤーのあきらめ戦略

プロ奢ラレヤー

祥伝社

奢られ続けてフォロワー9万人超。ツイッター・noteで話題沸騰。しんどい生き方、もうやめませんか?絶対に働かない彼は、なぜ生活に困らないのか――。才能、スキル、何もいらない! ただ「あきらめる」だけ。どんな時代でも通…

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