「駆除すべき対象としてしか見ていなかった生き物に対して、ネズミさんたちと呼びたくなるほどに親しみを感じている」「解き明かして得たネズミさんたちの習性が、今後のドブネズミ駆除に役立つのであれば、私にとってこれ以上喜ばしいことはない」――ネズミ捕獲のプロ・山﨑收一氏は書籍『捕獲具開発と驚くべきネズミの習性』(幻冬舎MC)で、そう語っています。

飛躍した推測である事は十分承知しているが

随分飛躍した推測である事は十分承知しているが、たった1つの観察だけで捻り出した推測ではない。集団を維持するためのルールがネズミ社会の中にもあるだろうという考えは、これまでの観察事例をつなぎあわせ、何故だろうと繰り返し自問する間に浮かんできた。

 

その根拠となるいくつかの観察事例について詳しく紹介するのも本連載の1つの目的なので、一通り読んだ後に振り戻って読み返していただくと理解していただけると思う。

 

中でも、クマネズミ捕獲の実施例1と2についての詳細部分は核心部分であるともいえるので、先に読んでいただいても構わない。私がメルヘンを感じ始めるきっかけとなった観察について詳しく後述している。

 

ネズミ社会にはルールがあり、すべてのネズミがそのルールに常に従って行動していると仮定した場合、ある条件下ではネズミたちは判で押したように同じ行動をとるはずである。

 

そのルールの多くは、生きていく上で最も重要な採餌行動に関する取り決めであり、個々のネズミは常にそのルールに従って行動していると今では考えている。

 

【次回】ネズミに靴を履かせる作戦 ~Part2

 

本記事は連載『捕獲具開発と驚くべきネズミの習性』を再編集したものです。

捕獲具開発と驚くべきネズミの習性

捕獲具開発と驚くべきネズミの習性

山﨑 收一

幻冬舎メディアコンサルティング

ネズミにも感情がある!? 古くから人は、ネズミを捕獲するためにさまざまな仕掛けを考案してきた。しかしながらクマネズミだけは、そのいずれをもってしてもほとんど捕まえることができずにいる。それは何故なのか。新たな捕…

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