「カラフルデブ」――パンチが効いた名称は、脳神経外科専門医とファッションデザイナーという2つの肩書を持つ、Dr まあや氏の通り名だ。髪はピンクや青、黄色や緑のレインボーカラー、そして身を包むファッションもとにかく奇抜。一度見たら絶対に忘れられない容姿から、インターネットで人気に火がついた。以来、『アウト×デラックス』(フジテレビ系)や『人生が変わる深イイ話』(日本テレビ系)などバラエティ番組に引っ張りだこ。ここでは彼女の半生とポジティブ思考の秘訣を紹介する。本連載は、Dr まあや氏の著書『カラフルデブを生きる』(セブン&アイ出版 ※2020年に事業終了)から一部を抜粋した原稿です。
客観的な視点からの「おもしろさ」が処世術
私の祖母は医者の奥様というのもあって、地元の婦人会のまとめ役をやっていたんです。だから家にはよく近所の人が集まってきて、祖母が料理を振る舞ったり、一緒にお茶を飲んだりしていました。
祖母は今でいう“毒舌”で、口は悪いけれど、祖母が話したことでドワッと周囲が盛り上がったりもして。祖母のそういう姿を見ていたら、「おもしろいことさえしていれば、人格はさておき人は集まってくるんだな。だったら、おもしろい人になるぞ!」と、祖母の教えに反して、そう決めたんですね。
担任の先生とか、アニメに出てくる人物のモノマネとかを学校でやって、笑いをとれる人間を目指したわけです。
そのスタンスは40歳を越えた今も変わらなくて。生きるうえでの私のキーワードは、おもしろいか、おもしろくないか。ものごとを決めるときや迷ったとき。いつでもこれを基準にします。
たとえば洋服を選ぶときも、カワイイとかキレイとかはどうでもよくて、それを着た私がどういうイメージになるかがポイント。「こんな格好は、変わっていておもしろい」とか、「ギャップがあっておもしろい」とか。
大切なのは、自分自身がおもしろがれること。さらには、そんな自分を見た周囲の人が私をおもしろがってくれること。そんな周囲の反応を、私がまたおもしろがれること。そういう客観的な視点からの「おもしろい」が、私にとってのエンジンなのかもしれません。
脳神経外科専門医
ファッションデザイナー
脳神経外科専門医でありファッションデザイナー。
1975年、東京都世田谷区に生まれる。2000年、岩手医科大学医学部卒業後、慶應義塾大学外科学教室脳神経外科に入局し、脳神経外科医として勤務。2009年、日本外国語専門学校海外芸術大学留学科に入学し、翌年からセントラル・セントマーチン芸術大学(英・ロンドン)で学ぶ。
帰国後、2013年に「Drまあやデザイン研究所」を設立。現在は、あかしあ脳神経外科(東京・小平市)での院長業務、釧路孝仁会記念病院(北海道・釧路市)での当直・外来を行うなど、東京と北海道を行き来しながら医師として勤務。
著者プロフィール詳細
連載記事一覧
連載人を縫って服を縫って…女医とファッションデザイナーの2つの世界