広告主を洗脳し、思いのままに操る広告代理店
今回の倒産した弁護士法律事務所のケースでは、本来、依頼者に支払われるべき過払い金を、弁護士事務所を実質的に支配していた広告代理店が流用していたようです。
広告代理店を信用し、広告を任せきりにすると広告代理店が広告主を洗脳し、思いのままに操り、無駄な広告費用、制作費用を支払い続けることになります。弁護士の先生は法律のプロではありますが、経営のプロではありません。そのため、採算性、収益性をしっかりと考えずに広告代理店のいいなりになってしまうケースが多く、今回のように広告費や制作費を搾り取られるだけ搾り取られて、知らぬ間に事業が立ち行かなくなってしまいます。
莫大な広告費を投入しているので、反響は増えてくるので、一見事業は好調なように見えます。しかし、実際の投資対効果をしっかりチェックしておかないと、広告費を投入している分の売り上げと利益が叩き出せておらず、それを気付かないまま、継続することで、赤字が膨らんでいきます。次には、その赤字を取り返そうとして、さらに広告費を投入することで、より経営状況が悪化し、今回のような大きな負債額での倒産につながってしまうのです。
広告代理店の言いなりにならず、投下した広告費が回収できているかをしっかりとチェックし、ジャッジしていくことが必要になります。判断が難しい場合は、第三者の視点からのセカンドオピニオンをもらうのも良いと思います。今、付き合っている広告代理店からの意見だけを聞くのではなく、第三者の意見にも耳を傾けてください。それによって、長きに渡って陥っていた洗脳状態から解放されることにもなります。
ある広告代理店のクライアントであった健康食品を扱う会社が、その広告代理店が経営の中枢に食い込んでコントロールをしていることがありました。パートナーとして選んだ会社が悪徳業者の場合、いいように甘い汁だけ吸われてしまいます。さらに注意が必要なのが、広告代理店は集客のノウハウを持っているので、そのノウハウを活かすために事業者を買収したり、事業譲渡を受けて、新規で業界に参入するケースもあります。買収先、譲渡先を間違うと、今まで作り上げてきた事業や会社をお金儲けの道具として弄ばれ、法律すれすれの表現で手荒に販売し、その後行政指導を受けて、売上が大幅に下がったり、事業を撤退したりするケースもあります。