「見た目の仕掛け」が評判を呼び、看板商品に!
近年のゆるキャラブームの影響で、47都道府県のみならず、市町村にもゆるキャラ
が生まれるようになりました。これらゆるキャラは、申請さえすれば、無料で商用利
用できる場合が多くあります。ご当地のゆるキャラが、自社の商品と相性がよく、活
用できるなら考えてみるのもおもしろいでしょう。
徳島県には「ちっかーず」というゆるキャラがいます。小松島市の名産品である竹
ちくわをモチーフにしたキャラクターで、地元の方言で竹輪のことを「ちっか」とい
うことから命名されました。
このゆるキャラに目をつけたのが牧商店の牧久雄社長。「ちっかーずを使った竹ち
くわ1本入り商品を作りたい」という話になりました。そして世に出された竹ちくわ
の商品名は、ゆるキャラの名をそのまま借りて「ちっかーず」となりました。
「ちっかーず」のキャラクターをそのまま大きくデザインしたように見えますが、実はこのパッケージの工夫はここからです。
「日配食品のパッケージは中身が見えたほうがいい」という機能的な都合と、「もっとパッケージでおもしろさが表現できないか」という情緒的な都合を両方取り入れて、ちっかーずのキャラクターの本来は茶色が塗ってあるところを、透明にしているのです。
竹ちくわを引き抜くにつれ、ちっかーずのキャラクターの体が透明になっていくと
いう寸法です。食べておいしい、竹ちくわを引き抜いてちっかーずの色が変わるとい
うギミック(仕掛け)で楽しいという、1本で2回楽しめる商品に仕上がりました。
このパッケージが店頭に並ぶと、キャラクターの力もあってとても目立つ商品となりました。
ちなみに、この商品の一番の購入者は「おじいちゃん」でした。買い物かごに「ちっかーず」を入れたおじいちゃんに、牧久雄社長自らインタビューしたところ、「孫が喜ぶから買ってみた」という理由だったそうです。
おじいちゃんが孫のために買って帰り、家族だんらんの一助となるこの「ちっかーず」、牧商店でのロングセラー商品になっています。