色を変えるだけで「気づかれる存在」に
百貨店に、スーパーに、コンビニに、無数の商品が並んでいます。いったい、どのくらいの商品数が並んでいるのでしょうか。店舗によって異なりますが、一般的に食品スーパーでは1万2000点以上、コンビニでも2000点以上の商品が並んでいるそうです。
これでは、お客様に見つけてもらうのは至難の業です。気づかずに通り過ぎられてしまっても無理はありません。
試しに近所のコンビニに置いてある商品を思い浮かべてみてください。何種類くらいの商品名を書き出すことができますか。100点書けたらたいしたものです。それでも1900点の商品を見逃していることになります。目に留まらなかった商品は、その人にとって「存在しないのと同じ」です。では、どうしたらお客様に「気づいてもらえる」商品になるのでしょうか。
まず「パッケージの色」で気づいてもらうという方法があります。
「東京カンパネラ」(アイル)という商品は、羽田空港や東京駅などで大々的に販売していますので、ご存知のかたも多いことと思います。その商品パッケージがターコイズブルー(緑がかった水色のような色)という独特の色なのです。食品業界では「食欲減退色」といわれる寒色は避けられる傾向にあります。ではなぜ、東京カンパネラがこのようなターコイズブルーを採用したのでしょうか。
理由は「他社と差別化するため」です。
同社では、羽田空港や東京駅で販売することが決まったとき、まず競合商品を考えました。すると、黄色いパッケージの「東京ばな奈」(グレープストーン)や、黒いパッケー
ジの「東京たまご ごまたまご」(東京玉子本舗)などが真っ先に挙がります。この2つの商品に囲まれても、圧倒的な存在感を誇る商品の色を、と考え抜いた結果、あえてターコイズブルーにしたそうです。このねらいが見事に当たり、発売以来のロングセラー商品となっています。
ほかにも真っ赤なパッケージで有名な「ガーナミルクチョコレート」(ロッテ)が挙
げられます。