一生に一度の大きな買い物「家づくり」。大金を出すからって「自分はお客様だ」と思い込んでしまうと……? *本記事は、一級建築士である兼坂成一氏の著作『人生が変わる家づくり 一生気持ちよく暮らせるマイホーム』(幻冬舎MC)から抜粋、再編集したものです

建て主の役割は、どんな家に住みたいかを明確に考えることです。どんな工法を使うようにオーダーするのではなく、この家づくりを通じて、どのような暮らしを得たいか。それによって建築業者が受け止める内容、予算も変わります。

ローンの手続きを建築業者の営業担当に代行させる!?

大切な予算を決めるのも建て主の役割です。大事な予算を聞かれて「安ければ安いほどいいです」と答えるようでは建て主として失格です。希望どおりに安い家が完成しても、心から満足することはできないからです。安かろう悪かろうのたとえもあるように、安ければ安いなりの家が建つものです。

 

資金手当てをするのも建て主の役割です。ローンの手続きを建築業者の営業担当者に代行させる建て主もいますが、それは自分の役割を放棄しているのと同じです。手続きを代行させた結果、見積もり金額が予想以上に高くなっても契約を断り切れなくなったケースは少なくありません。

「請負代金の支払い」は建て主の大切な切り札

融資金額は建て主の口座に振り込まれます。このため、建て主は請負代金の支払いを現金で行うことができます。建て主は請負代金を支払う権利を最後まで手放すべきではありません。

 

請負代金を支払うのは、建て主の大切な切り札です。その切り札を手放すのは、営業担当者に主導権を握られることを意味します。

本連載は、2018年6月3日刊行の書籍『人生が変わる家づくり 一生気持ちよく暮らせるマイホーム』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

人生が変わる家づくり 一生気持ちよく暮らせるマイホーム

人生が変わる家づくり 一生気持ちよく暮らせるマイホーム

兼坂 成一

幻冬舎メディアコンサルティング

一生に一度の家づくりで失敗したくない──マイホームを建てようとする人にとっては当然の願いです。家づくりは、家族の人生にも大きな影響を及ぼす一大イベントです。だからこそ、多くの人が間取りやデザイン、素材、設備など…

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