日本人の約6人に1人…なぜ「独居老人」が急増しているのか

高齢者のひとり暮らしというと、「かわいそう」というイメージを持つ人が少なくありません。しかし、ひとり暮らしをしている高齢者は、果たして「誰かと一緒に暮らすこと」を望んでいるのでしょうか。本連載は、シニア生活文化研究所・代表理事の小谷みどり氏の著書『ひとり終活』より一部を抜粋し、「高齢者のひとり暮らし」の実態や、生前にやっておくべき準備・手続きについて解説します。

「ひとり暮らしはかわいそう」は、本当なのか

高齢者のひとり暮らしというと、みなさんはどんなイメージを持つでしょうか。実際にひとり暮らしをしている人は、健康で趣味や生きがいがあれば、年をとってからも、誰かと一緒に暮らすよりひとりのほうが気楽でいいと考えている場合が少なくありません。

 

ところが、ひとり暮らしをしていない人のなかには、「高齢になってひとりで生活するのはかわいそう」と思う人もいます。ひとりで暮らす若者に対しては、それほど気の毒がったりはしないのに、です。

 

つまり、ひとり暮らしがかわいそうなわけではなく、ひとり暮らしをしているのが高齢者だからかわいそうと思ってしまうのでしょう。これは、高齢者が子や孫に囲まれて幸せそうに過ごすという、昔のホームドラマのイメージが、いまだに多くの人の脳裏に染みついているからなのです。では、ひとり暮らしの高齢者は誰かと一緒に暮らしたいと思っているのでしょうか。

 

ひとり暮らしの高齢者自身は、「誰かと暮らすこと」を望んでいるのか?(画像はイメージです/PIXTA)
ひとり暮らしの高齢者自身は、「誰かと暮らすこと」を望んでいるのか?
(画像はイメージです/PIXTA)

 

内閣府が2014(平成26)年に全国の65歳以上のひとり暮らし男女を対象におこなった調査では、「今のまま一人暮らしでよい」と答えた人が76.3%もいました。80歳以上では78.3%がひとりのままでよいと考えています。

 

当然ですが、本記事で取り上げるように、老若男女問わず、ひとりで暮らすことにはいい面もあれば悪い面もあります。高齢でのひとり暮らしには、もちろん不安もあるでしょう。でも悪い面はあっても、それを上回る利点があるので、元気なうちはひとり暮らしでいいと考える高齢者が多いのではないでしょうか。

 

『老後はひとり暮らしが幸せ』という著書もある大阪の辻川 覚志(つじかわ さとし)医師が、2015(平成27)年までの2年間に、医師会の相談電話や日々の診療を通じて60歳以上の人1000人近くに聞き取り調査をしたところ、ひとり暮らしのほうが、同居する家族がいる場合より生活満足度が高く、悩みを持っている人も少なかったそうです。

 

一般社団法人シニア生活文化研究所 代表理事

大阪府生まれ。1993年奈良女子大学大学院修了後、2019年まで第一生命経済研究所で研究に従事。専門は死生学、生活設計論。博士(人間科学)。
現在、一般社団法人シニア生活文化研究所代表理事のかたわら、カンボジアで若者の職業訓練を兼ねたベーカリーを主宰している。武蔵野大学客員教授のほか、大学でも講義をおこなう。

最近の主な著書に、『ひとり終活』(小学館新書)、『「ひとり死」時代のお葬式とお墓』(岩波新書)、『没イチ』(新潮社)など。

著者紹介

連載「ひとり終活」不安が消える万全の備え

ひとり終活

ひとり終活

小谷 みどり

小学館

元気なうちは気兼ねの要らない自由な暮らしがいいと思っていても、ひとり暮らしの人は、将来に不安を感じることも多い。 介護が必要になったら誰が面倒を見てくれるのだろう? 万が一のとき誰にも気づいてもらえなかったら…

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