副業は「会社にバレて困る」くらいが丁度いい
副業をする際は、「所属する会社に迷惑をかけない」というのが、基本中の基本です。そういう意味でも、本書でご紹介したセールスやマーケティング活動であれば、3つの地雷原に抵触する可能性は、ほぼないのではないかと思います(扱う商材などに注意)。
おそらく「副業したいけれど、会社にバレるのが怖い」というのは、ほとんどの場合、杞憂に過ぎないでしょう。副業を始めても、商売がうまくいっていなければ、そもそも社会的には「活動をしている」とは見なされません。
たとえば税制上では、年末調整を受けた給与所得以外の所得が 20 万円以下の場合、 確定申告は不要とされています(控除を受ける場合などを除く)。これまで、世の中で副業をしていた人の大半が、 20 万円に届いていなかったために、見逃されてきた部分もあったわけです。
逆に、「副業がバレるのは、売れている証拠」だとも言えます。自分から公言していないのに、会社が知ったということは、それだけ認知度が上がった結果です。
これは、私がサラリーマンの時に、副業としてビジネス書を出版した時のことです。当時は社内ベンチャーで起こした会社から本社に戻り、上級顧問という役職に就いていたので、副業禁止規定の対象ではありませんでした。
しかし、現役のサラリーマンであるうちは、万が一にでも出版で会社に影響を与えてしまうと自分だけのリスクではなくなること、そして、会社に事前に相談したとしたら、社風的に止められてしまうリスクが高いこと、から社名は伏せて出版しました。
実名で出版したのは、「周りにビジネス書を読んでそうな人もあまりいなかったので、気付かれることもないだろう」とタカをくくっていたからです。ところが、思いがけず書籍の売れ行きが好調だったため、なんと発売2週間後には、会社側にバレてしまいました。
私は担当役員に呼び出され、書籍のことを聞かれましたが、それだけでした。別にクビになることもなく、減給されたわけでもありません。このように、会社に迷惑をかけるようなことでなければ、たいていは見逃してくれるものです。
結論を述べますと、会社バレに対する一番の対策とは、「会社にバレても問題ない仕事を副業に選ぶ」ということです。逆説的にはなりますが、あなたの商売は、ぜひ「会社にバレて困る」くらいに繁盛していただきたいと思っています。
俣野 成敏
ビジネス書著者
投資家
ビジネスオーナー